『べっぴんさん』使用衣装や小物展示に朝ドラファン歓喜 (2017.12.3)

3日まで燕三条地場産業振興センターで開かれている「燕三条じばさん年末フェア」で、NHK連続テレビ小説の2016年度下半期に放送された『べっぴんさん』に登場した小物や衣装が展示されており、朝ドラファンを歓喜させている。

神戸マイスターのブースに展示されている『べっぴんさん』に使われた小物類

ドラマのなかでヒロインの板東すみれは、友人と4人でのちに「キアリス」と改称するベビーショップを起業した。その撮影で使われた赤ちゃんの肌着やワンピース、お手玉、弁当袋、さらに販促用のリスとクローバーを描いたアルマイトの弁当箱など約20点が展示されている。

『べっぴんさん』の舞台になった神戸には、撮影に使われたセットや小道具を展示した場所があるが、そこ以外で展示されることはめったにない。『べっぴんさん』に夢中になった人にはたまらなく懐かしく、これを見るためだけに来場する人もいるほどだ。

これらは神戸マイスターのブースに展示されている。神戸マイスターに認定されている堺幸子さんらファクトリーブティッククィーンのメンバーが協力して製作したもの。ドラマではキアリスとなっているアパレルメーカーのファミリアは皇室御用達。堺さん自身も紀子様のスーツやマタニティドレスを手掛けたことがあり、兵庫県洋装技能協会の会長を務めている。番組ではヒロインの坂東すみれ役を務めた女優芳根京子さんにクランクイン前から直接、裁縫を指導している。

『べっぴんさん』に使われたワンピースはえりにある四つ葉のクローバーがポイント

ブースにはほかにも神戸マイスターの田中健治さんのケミカルシューズと福原敏晃さんの洋菓子も展示。石工の岩田明さんによるワークショップ、みかげ石のモザイク貼り体験（参加費1,000円）も行っている。

マイスター認定制度は、一定の技術をもつ技能者をマイスターとして認定するもので、神戸マイスター認定制度はその国内の草分けであり、発祥の地。1993年にスタートし、幅広い業種でマイスターを認定し、これまでに118人をマイスターに認定。2006年から農業関係の神戸アグリマイスター認定制度も始まり、それに認定された15人も加えると133人にのぼる。

その後、全国各地でマイスター認定制度が始まり、2017年に新潟県県央地域でも新潟県の主導で「にいがた県央マイスター制度」がスタート。対象は金属加工業関連で、これまで29人を認定した。スタート当初、神戸マイスターを視察したが昨年、10周年を迎えたのを機に神戸マイスターに内側に金、外側に漆を施した金属製のぐいのみ10個をプレゼントするとともに、10月に神戸市で開かれた恒例の神戸マイスターフェスティバルに、にいがた県央マイスターとし出展し、両者の交流が再開した。

左から公益財団法人神戸市産業振興財団の柿並課長、神戸マイスター交流会会長の吉本さん、みかげ石のモザイク貼り体験のワークショップを指導している石工の神戸マイスター岩田さん

ことし9月に開かれた神戸マイスターフェスティバルにも、にいがた県央マイスターが出展。そのお返しにと、にいがた県央マイスターには自主イベントがないので、代わりに燕三条じばさん年末フェアに神戸マイスターが初めて出展した。

神戸マイスターの交流会会長、タイヤ整備の吉本一男さんによると、今もマイスター制度がしっかりと機能し、まとまりよく活動しているのは、神戸とにいがた県央くらいと言う。「毎年、こういう交流が続いていくと思うが、まだまだマイスター制度に対する認知度は低く、後進の育成にも努めていかなければならない」と話していた。にいがたマイスターの関係者も「抱えている課題は神戸も一緒。互いに交流を続けて行ければいい」と話していた。