三条市など主催の成年後見制度に関する権利擁護講演会が9日、三条市総合福祉センターで開かれ、一般にはなじみのない成年後見制度をわかりやすく寸劇を交えて学んでもらった。
三条市興野1、中沢泰二郎法律事務所の中澤泰二郎弁護士が「成年後見制度ってどんな制度?」のテーマで講演し、新潟家庭裁判所三条支部の草間学氏が成年後見制度における三条市の現状について報告。さらに「成年後見制度の活用について考えよう!」をテーマに地域包括支援センター、相談支援センター、三条市社会福祉協議会の職員らとともにシンポジウムを行った。
認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な人に代わって財産を管理したり、介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり,遺産分割の協議をしたりし、悪徳商法から守るなどそうした人を保護し、支援する制度。大きく分けて法定後見制度と任意後見制度があり、法定後見制度は判断能力ていどなど本人の事情に応じて「後見」、「保佐」、「補助」の3種類ある。
高齢化により成年後見制度を利用する方が好ましいと思われる人が増えている反面、制度は一般になじみがなく、必要に迫られないと難しく感じるが、成年後見制度により大きなトラブルを回避できる場合がある。
少しでもわかりやすくと、講演会の冒頭の導入で寸劇を披露した。中沢弁護士がシナリオを書き、自ら認知症のおじいさんの役を演じた。加えてこの日の登壇者らも役者として加わり、総勢10人ほどが出演した。
おじいさんはギャンブル好きの息子に無心されたり、高額な布団を買わされたり、知り合いにATMで年金の引き落としを頼んでだまし取られたり。「何ゆーてけつかる」など地元の方言もたっぷり使っておもしろおかしく20分近くに及ぶ大作を披露した。
中沢弁護士の演技も素人と思えないほど達者で、来場した100人余りは笑いにあふれた寸劇に時間を忘れていた。それから本題の講演に入った中沢弁護士は、寸劇を披露したことについて、「ふざけているじゃないかと言われることがあるが、まずは成年後見制度に関心をもってもらうことがいちばん」と話した。