昔ながらの正月料理でおなじみの「はりはり漬け」。弥彦村の観光施設「おもてなし広場」の「農産物直売所やひこ」では、その肝となる干し大根を12月初旬から販売している。
干し大根は、縦に4分の1に輪ったダイコンをひもでしばって乾燥させ、食べるときに熱湯で戻して料理に使う冬場の保存食。はりはり漬けは、戻した干し大根を小さく切り、ニンジン、コンブ、財布に余裕があればカズノコなどと一緒にし、しょうゆ、みりん、酒を沸騰させた調味料をかけ、冷めたらできあがり。材料や作り方は家によってまちまちで、調味料代わりに松前漬けを利用する家もあるようだ。
「農産物直売所やひこ」では、ひもにしばったまま入り口にぶら下げて販売している。乾燥して小さくなっているが、1束に3本ほどのダイコンが使ってある。
保存食の必要がなくなるとともに、はりはり漬けを作らない家庭が増えているが、「正月にはりはりもねーよーじゃ」と言う直売所スタッフもいるほど、昔からはりはり漬けを食べてきた人にとっては、正月には欠かせない料理。酒のつまみもはりはり漬けがなければ始まらないとか。
干し大根は乾燥が進むほど曲がりが強くなる。「し」の字や「つ」の字など、その形で家庭によって好みの乾燥の度合いをはかることもあると言う。
直売所では軽食を販売しており、惣菜を1皿100円で販売している。この惣菜にも近くはりはり漬けが登場の予定だ。