地発泡酒「伊弥彦エール」が令和とともに発売 弥生商店が事業承継をかけ弥彦へ足を運んでもらおうと (2019.4.17)

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弥彦神社や温泉で新潟県内一の観光地になっている弥彦村へ足を運ぶきっかけになればと酒店の有限会社弥生商店(羽生雅克社長・弥彦村弥彦)は、地元の弥彦のコメも使って醸造した地ビールならぬ地発泡酒「伊弥彦(いやひこ)エール」を5月1日、新元号「令和」のスタートとともに発売する。

本店を改修して作った醸造工場
本店を改修して作った醸造工場

弥生商店は弥彦神社一の鳥居前に構える酒店「酒屋やよい」で知られるが、実はこれは弥彦神社前店。本店は一の鳥居を背にして約300メートル先、新潟県信用組合弥彦支店の裏にある。この本店を改修し、醸造工場と県内の地ビールなどクラフトビールが味わえる「タップルーム」を設けた。

「伊弥彦エール」の主原料はほかの発泡酒と同じ麦芽だが、副原料にコメを使う。コメは弥彦村産特別栽培米コシヒカリ「伊弥彦米(いやひこまい)」。麦芽は地元産ではないが、いずれ地元で安定供給されるようになれば地元産の麦芽を使う。フルーツジュースのようなフレーバーが特徴と言う。

4月から週末限定でタップルームを営業しており、カウンターでクラフトビールを味わえる。大型連休中は休まず営業し、ここで5月1日に「伊弥彦エール」がデビューする。販売価格はまだ決まっていない。

醸造を手掛けるきっかけは、社長の羽生雅克さん(42)が一緒に働く姉の久美子さん(49)に地発泡酒のことを話したことだった。久美子さんが地発泡酒を醸造したいと昨年4月に構想を開始。醸造にはまったくの素人だった久美子さんは、4つのビール会社や新潟市の地ビールを醸造する会社で醸造を研修した。

5月1日から「伊弥彦エール」が味わえるタップルーム
5月1日から「伊弥彦エール」が味わえるタップルーム

一方で国の事業継承補助金を受けて本店を改修し、約78平方メートルの建物の中に約40平方メートルの醸造工場を設置した。発酵には一般に使われるステンレスタンクに代えてチェストフリーザーと呼ぶ冷蔵庫6台を使い、ビニール袋の中で発酵される方式で大幅にコストダウンした。

4月11日に発泡酒製造免許を取得し、13日に仕込みしたばかりのなので「ちょっと若い感じの発砲酒になると思う」と雅克さんは言う。

弥生商店は、新潟市西蒲区の旧巻町でしょうゆを作る羽生醸造を営んでいた羽生七兵衛さんがいろいろな雑貨を売る店として羽生商店を開業し、1962年(昭和37)に法人化。雅克さんの父、信二さん(75)が2代目、雅克さんで3代目になる。

雅克さんは東京農大醸造学科を卒業すると山梨県のワイナリーで3年間、修行したのち、16年前に古民家を移築した弥彦神社前店のオープンに伴って実家へ戻った。事業承継を考えるなかで、歩いて3分の近さで2つの店舗の維持は難しく、本店のあり方が課題になった。

本店を閉める手もあったが、2年前に事業継承補助金の存在を知った。「自分の利潤だけを考えていていいのか。地域に恩返しできる新規事業にチャレンジしたい」と醸造へのチャレンジを決めた。

弥生商店の本店
弥生商店の本店

大学で醸造を学び、ワイナリーでの醸造の経験も「楽しかった」と雅克さん。設備に多額なコストがかかり、税法上の問題をクリアするのは簡単ではないことを自身がいちばんよく知っている。

それだけに、今まで現実的に醸造を手掛けようと考えたことはなかったが、「いつかは醸造をやってみたいという感覚があったのかもしれない」。

「伊弥彦エール」は当面、本店でしか味わうことができない。「ぜひ弥彦に出向いていただいてこの新しい発泡酒を楽しんでほしい」と、弥彦へ足を運ぶきっかけの役割を果たすことに期待している。そのため今後は瓶詰めの製造にも手を広げるが、販売店は新潟市内の3店に限定する計画で、あくまでも弥彦へ来て味わってもらう形にこだわる。

その後は副原料に地元弥彦産のムラサキイモやキクを使い、麦芽も弥彦で確保できるようにして「オール弥彦産の発泡酒ができれば」と夢が広がっている。

(佐藤)


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