山崎金属工業社長が創業から100年の歴史を語る (2019.6.10)

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6月7日から7月21日まで洋食器の産地で知られる新潟県燕市の燕市産業史料館で開かれている地元の山崎金属工業株式会社(山崎悦次代表取締役・燕市大曲)の100年記念展で6月9日、山崎社長(79)による作品解説会が開かれ、100人近くが参加する大入りだった。

山崎金属工業株式会社100年記念展の作品解説会で100年の歴史を語る山崎社長
山崎金属工業株式会社100年記念展の作品解説会で100年の歴史を語る山崎社長

ことし4月19日にリニューアルオープンした燕市産業史料館の第1弾の企画展。1918年(大正7)創業で100年の大きな節目を迎えた山崎金属工業を取り上げた。山崎金属工業は燕市の金属洋食器産業を代表する企業のひとつ。1991年からノーベル賞授賞式の晩さん会で山崎金属工業のカトラリーが使われているのも有名で、2012年にはテレビ番組で絶対に曲がらないスプーンとしてユリ・ゲラーさんと対決して勝っている。

創業者は山崎さんの父、山崎文言氏(1899-1981)。山崎社長は男4人兄弟の末っ子で、3代目の社長。冒頭、山崎社長は、兄弟が4人とも同じ会社で働いたのが海外ではあり得ないと言われたが、「結果的に100周年を迎えられたのは親父の考え方もあったんじゃないか」と話した。

戦時中は軍需工場で、群馬県の中島飛行機が製造する戦闘機の主翼と尾翼の部品を製造した。山崎社長も防空壕に入った経験がある。「戦後になって、さあ戦前からやってた洋食器づくりに入ろうと昭和23年(1948)くらいから洋食器の生産を再開した」と草創期について話したあと、齋藤優介学芸員(41)が大筋を説明して山崎社長が補足する形で解説会を進めた。

100人近い参加者で大入り
100人近い参加者で大入り

スウェーデンで販売した「NOVA(ノバ)」は齋藤学芸員も子どものころ愛用していたと話すと、山崎社長は「これはわたしのデザインなんです」、「何千万本も売れた」と驚かせた。

齋藤学芸員は、ノーベル財団のあるスウェーデンには、大正15年(1926)ごろにスウェーデン鋼を買い付けに行った歴史から始まると説明。「長い信用と信頼の蓄積の結果、ノーベルに行き着いた。物語はまさに100年前から始まっていた」。

山崎社長は「奥さんがいちばん高いものを買うのはまずお皿。次にグラス、残念ながら残ったお金でわれわれのものを買う。わたしどものデザインの開発のやり方は世界最高の茶わん屋さん、最高のクリスタル、それにわれわれのコーディネートできるデザインということでやっていて、今もその方針は変わらない」とデザインに対する基本的なスタンスを話した。

山崎社長
山崎社長

ほかにもKEN OKUYAMA DESIGNの「EDA」がドイツで行われる世界最大級のデザイン賞「reddot design award」の最高賞「best of the best」を受けたことや、2013年からJR九州のクルーズトレイン「ななつ星」、17年からJR東日本のTRAIN SUITE「四季島」で採用されているカトラリー、13年の伊勢神宮式年遷宮で納めたカトラリーなども説明した。

作品解説会のあと山崎社長は「こんなに大勢の方に来ていただいて感謝している。わたしもこのイベントがなきゃ、こんなの探し出すことはなかった」と自身にとっても100年を振り返るいい機会になったことを喜んでいた。

来場者は製造に使う型を作った彫金師や関連会社、社員など幅広かった。燕三条地域が大好きと言う東京都・産業能率大学経営学部の欧陽菲(オウヤン・フェイ)教授は中国の北京市の出身。前日に長岡市で講演のために来県して燕三条地域へ足をのばし、通信教育を受けている燕市の生徒の案内で工場見学に回り、作品解説会にも立ち寄った。

日本的経営を長く研究しており、「小さいけれど美しい会社が大好き」。燕三条地域は「どこもみんな非常に印象的。中国の人を多く連れてこようかな」と話していた。このあと6月16日(日)には午後2時から対談会が開かれ、山崎金属工業の山崎修司工場長と齋藤学芸員が「山崎金属工業株式会社の100年を語る」をテーマに対談する。問い合わせは燕市産業史料館(電話:0256-63-7666)へ。

(佐藤)


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