イケメン官能絵巻きっかけに文化財の指定解除を キリストも布きれ1枚 (2019.10.3)

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新潟県燕市国上の国上寺(こくじょうじ)(山田光哲住職)が今春、燕市文化財に指定されている本堂の外壁に絵画作品「イケメン官能絵巻」を設置したことに対して燕市教育委員会は現状変更を不許可とし、撤去を要請していることについて山田住職は10月2日、来年春の御本尊御開帳が終わるまでは撤去しないと断言。不許可には異議申し立てをしないどころか、文化財指定の解除を求めている。

イケメン官能絵巻について話す山田住職
イケメン官能絵巻について話す山田住職

イケメン官能絵巻は国上寺にゆかりのある上杉謙信、源義経、弁慶、良寛、酒呑童子が全裸に近い姿で露天風呂につかったり、竜に乗ったりする姿を東京芸術大学院修士課程壁画専攻修了の木村了子氏が描いた。本堂の四方の壁の外側に設置し、御開帳1年前にあたることし4月19日から無料公開している。

本堂は1978年(昭和53)に「国上寺本堂 附境内地」として旧分水町文化財に指定され、分水町が燕市に合併するとそのまま燕市文化財に移行している。文化財の現状変更には現状変更許可申請書を提出して許可を得る必要があり、市教委は再三、国上寺に申請書提出を求めたが応じないため、6月14日付けで国上寺に対し行政指導の文書を出した。

6月25日付けで国上寺が現状変更許可申請書を提出。市教委は現状変更の可否を燕市文化財調査審議会(幸田顕委員長・委員6人)に諮問し、「不許可が妥当」との答申を受けて不許可と決定。8月上旬に不許可通知を国上寺に持参し、撤去を求めたが10月2日現在もなお撤去されていない。

国上寺は10月15日に行う柴燈(さいとう)大護摩の火渡り大祭のなかで日本初の炎上供養を行うとして2日、報道関係者を集めた席で、イケメン官能絵巻騒動のこれまでの経過やイケメン官能絵巻設置の目的や思いを話した。

イケメン官能絵巻を設置した目的は、2020年4月17日から5月11日まで行う12年に1度の御開帳に向けて機運を盛り上げ、若者や女性の寺離れに歯止めをかけること。国上寺が配信したプレスリリースには、「【奇策】セクシーなイケメン偉人達が女性本能を刺激!」、「日本一の胸キュン寺に!」などと宗教団体らしからぬ挑戦的な文言が踊る。

現状変更の許可申請を行わなかった理由について山田住職は「失念していた」。数年前に本堂の屋根を改修したが、その際は許可申請を提出しなかったが、市教委から提出を求められることがなかったため、今回もうっかり忘れていた。

イケメン官能絵巻
イケメン官能絵巻

不許可の決定については11月まで3カ月間、不服申し立てができると市教委に言われているが、「申し立てはしないと言っている」。撤去もしないと伝えてあり、それで指定が解除されても構わないどころか灌漑する。ただ、屋外に設置したままでは傷みが激しいため、御開帳が終わったら撤去する考えだ。

301年前に建てられた本堂は老朽化が激しく、50年後には建て替えの方針だが、宮大工の見立てでは同様の建築様式での建て替えには、費用が15億円かかるとも言われた。

文化財の指定を受けていて補助金を受けたところで、その金額は建て替え費用からみればわずかにしかならない。一方で現状変更手続きには手間も時間もかかり、制約を受ける可能性もある。メリットよりデメリットの方が大きいと考える。それなら今のうちに「文化財の指定を外してもらいたい」と市教委にもはっきり伝えている。

しかし、条例では所有者の意向による指定解除を想定しておらず、指定解除できるようにするには条例改正が必要になり、「制度変更も求めたい」と文化財指定のあり方にも一石を投じる。国上寺には2011年に県指定文化財に指定された木造千手観音菩薩立像(もくぞうせんじゅかんのんぼさつりゅうぞう)もある。

文化財指定の問題とは別に、性的な描写に対する批判や懸念もある。国上寺に近隣の小学校が遠足に訪れており、市教委では学校長に本堂の方へ行かないよう指示した。山田住職の知る限り小学校は本堂に上がったりせず、本堂のわきの登山道を通るていどで「校外活動に差し障りはないと思う」。

さらに山田住職は「イエス・キリストは布きれ1枚」であり、「宗教色は別として寺の代表役員の住職がそれでよしと思っているので、それでいいのではないか」と述べた。

イケメン官能絵巻を設置後、感覚的に参拝者はそれまでの4倍ほどに増えているという。昨年秋にも炎上供養専用サイトを設置して注目を集め、10月15日には日本初の炎上供養を行う。今後も御開帳に向けた新たな取り組みの計画がある。

イケメン官能絵巻問題はSNSなどを通じて爆発的に拡散し、全国ニュースになった。イケメン官能絵巻そのものついては賛成の声が反対より圧倒的に多く、国上寺にとっては「炎上した」という否定的な言葉より「バズった」という表現の方が正しいが、結果的に今度の火渡り大祭で行う日本初の炎上供養のマッチポンプのような役割を自ら果たす形になる。


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