新潟県立吉田高校（小竹聖一校長・新潟県燕市吉田東町）の生徒が先に焼失した沖縄の首里城の模型を段ボールで作って文化祭と燕市役所で展示し、募金活動も行った。たまたま沖縄県から新潟県へ研修に訪れていた大手ハンバーガーチェーンの加盟店オーナーらが生徒に感謝の気持ちを直接、伝えたいと吉田高校を訪問した。

この首里城は沖縄への修学旅行の事前学習の一環として2年1組の生徒が首里城の正殿と守礼門を製作し、11月2日の文化祭に展示した。しかしその2日前に首里城は火災で焼け落ちてしまった。文化祭では首里城再建の募金箱も設置した。

その後、段ボール首里城を燕市役所にも展示し、募金箱も設置。集まった20万2,039円を12月3日、修学旅行で沖縄県庁訪問した2年1組の生徒が直接、寄付の目録を手渡した。

一方、新潟へ研修に訪れたモスバーガー加盟店が主体となって運営する沖縄県のフランチャイズチェーン店でつくる「モスバーガー共栄会」の沖縄支部のオーナーら9人が生徒に感謝の気持ちを伝えたいと希望した。吉田高校に通う子どもをもつ地元モスバーガーのオーナーが両者の間をとりもって11月21日、燕市役所で吉田高校の首里城を見学してから2時間目の最初の5分間で2年1組の教室を訪問した。

沖縄支部の平良健栄支部長は、テレビのニュースで吉田高校の生徒が首里城を作ったことを見ていた。生徒の首里城を目の当たりにして「根気よくあそこまで作り上げてくれたなと。思い入れがあって作ってくれた」と感動。生徒の前では、生徒の心のあたたかさに感動したことなどを話したが、「思いの半分も話せなかったが、学校に快く訪問を受け入れてもらえた」と喜んだ。

小竹校長は「こんなチャンスは2度とないと思った。首里城焼失は遠い地のできごとだったが、沖縄の人を目の前にすると生徒の顔が全然、違っていた。皆さんが頭を下げていた姿に生徒も感銘を受けたようすだった」と授業では経験できない学びにつながったことを感謝していた。