【コラム】分水断水 ツイッターで断水を訴える市民 (2019.12.27)

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新潟県燕市分水地区に水道水を供給する分水浄水場が電気系統が原因と思われる障害が発生し、12月25日午後11時10分から翌26日午前4時半までの約5時間に渡って分水地区全体が断水し、5,700戸の1万3,110人に影響が出た。障害は25日夜に行った年に1度の配水ポンプの定期点検後に発生。再起動しようとしたところ電気系統の腐食が原因と思われる障害で電力を供給できない状態に陥った。いわば電源喪失だ。

26日夕方の燕市分水浄水場のようす。前夜はたくさんの車がずらりと並んでいた
26日夕方の燕市分水浄水場のようす。前夜はたくさんの車がずらりと並んでいた

5台ある配水ポンプが稼働できず、水道に圧力かけられなくなり、配水を停止した。その後、5台のうと非常回路用の配水ポンプが稼働して配水を開始し、断水は復旧。順に配水ポンプが稼働し、日中のうちに5台すべてが稼働した。

復旧の遅れを想定して給水車と緊急連絡管のバルブを開く準備も

明け方までに復旧できたのは、不幸中の幸いだ。復旧が遅れることも想定して、県内の水道局に対する給水車の手配の準備や緊急連絡管を開く準備も始めていた。燕市は旧3市町の燕、吉田、分水の3地区の水道がそれぞれ独立して水道水を供給しているが、その3つの水道管をつなぐ緊急連絡管が設置されている。ふだんはバルブを閉じているが、緊急時は開くことでそれぞれの水道網がつながり、水圧は下がるが断水していない地域の浄水場の水道水を断水している地域に供給できる。全国では緊急連絡管を操作する訓練を実施している地域もあるが、地元では訓練までは聞いたことがない。

2週間前の11日にも、燕地区に配水する道金浄水場で漏水が発生したばかり。そのときは翌12日の深夜から計画断水を行って漏水を修理した。さらにさかのぼること3年前の2016年11月、地震の影響で停電が発生したときに、道金浄水場は自家発電機が稼働せず、2時間近くにわたって燕地区で断水が発生した。電源が供給できなくなったという点では今回の断水と同じ状況になった。

トラブルの未然防止のための点検作業が今回の障害の引き金に

今回は人為的なミスではなさそうだが、皮肉にもトラブルの未然防止のために行った点検作業が、今回の障害発生の引き金になった。その状況や心情は自分のことのようによくわかる。

以前、ネット関係の仕事をしていたことがある。順調にサーバーが動いているときは、とにかく余計なことはしたくない。よかれと思って下手にいじると逆にトラブルを招きかねないからだ。しかし、将来的なトラブルのリスクを低減するには定期的なメンテナンスが不可欠だ。深夜1時、2時からサーバーのメンテナンスを始めて作業完了後に再起動するときは、祈るような気持ちだ。万が一、そこで障害が発生すれば、白々と夜が明けていくなかで作業が続く。思い出すだけで気分が悪くなる。

燕市内3つの浄水場はいずれも老朽化が著しく、弥彦村の浄水場と合わせた統合浄水場の建設を進め、2025年度の供用開始を目指している。それに向けて水道事業の運営を燕・弥彦総合事務組合に移管した。今回のようなトラブルを抜本的に解決するには、電力関係の機器を入れ替えるしかないが、巨額を投じる浄水場施設再構築事業を前に多額な費用をつぎ込むのは現実的ではない。統合浄水場完成までの5年間は、後手に回るにせよ障害を予防し、障害に備え、障害が発生したらそのつど迅速に対応するしかなく、綱渡りが続く。

断水の情報発信には改善の余地が

今回の断水情報の発信には改善の余地があった。11日の漏水のときは防災行政無線で漏水の発生、断水の可能性があることが放送されたと思うが、今回は深夜のこともあり、防災行政無線がなかったのは仕方ない。市のホームページにもすぐに情報が発信されず、分水浄水場は電話が殺到してつながらなくなった。メール配信も深夜は混乱が予想されるが、せめてホームページではもっと早く情報を発信できたはずだ。

何が起きているのかわからないときが、いちばん不安になる。問題が解消されてなくても状況がわかれば、とりあえず安心し、問題解消まで待とう、我慢しようという気持ちになる。ツイッターでのケンオー・ドットコムへのメンションなどで市民の声を振り返っておく。

ツイッターの断水情報第一報は23:14

第一報となったツイートは「燕市で断水とかの情報ありますか?うちだけかな?うちの故障?」。午後11時7分の投稿で、燕市が発表した障害発生の時刻午後11時10分より早い。このときはまだ分水浄水場で問題が発生していると思わず、分水地区で水道管の破裂でもあったのだろうかと半信半疑だった。

さらに「分水地区も出ません」(23:14)、「うちもです」(23:15)、「分水エリアで水出ないという話が来てます。」(23:19)、「ウチも断水してます。ウチだけかと思ってたけど違うのかな?」(23:22)、「分水出てないです。なんですかね?」(23:23)と次々と分水地区の断水に関する投稿がアップされた。分水地区の広い範囲で断水が発生していると推測。関係機関に問い合わせて分水浄水場で障害が発生していることを確認し、分水浄水場へ取材に向かった。

「トリートメントのついた濡れた髪のままで待っている」

その後もこんな投稿が続いた。「それは災難!!私は洗い物の途中で出なくなりました。こうなると行きたくなるトイレ、、とりあえず、災害用に取っておいた水がこんなところで役にたってます(;´д`)」(23:36)、「分水の中心だけなのかな?今は災害用に取っておいた水でやり過ごしてます。」(23:37)、「うーん、分水浄水場への電話がつながらないのは仕方ないとしても燕市役所も水道局(燕弥彦総合事務組合)も一切沈黙して「現在調査中」などの情報も無いのは…」(23:40)、「水出なくて困ってます。早くどうにかしてもらいたい」(23:44)、「トリートメントのついた濡れた髪のままで待っているので頭が寒くて…」(23:50)、「状況が分からない不安だけでも取り除けるので、すぐ着手してほしいところですね。」(0:29)。


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