[コラム]感染拡大が市民生活に影を落とす (2020.3.2)

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2月29日、新潟県内で初めて新型コロナウイルスに感染した人が新潟市で確認された。新潟市秋葉区の実家に帰省した東京に住む60代男性の感染がわかった。母親は陰性とわかり、男性の濃厚接触者の検査が進んでいる。

裸押合大祭の中止を知らせる普光寺前の看板
裸押合大祭の中止を知らせる普光寺前の看板

うるう日にやってきた県内初の感染確認というXデーの夜。以前から予定していた南魚沼市浦佐であったイベントに参加した。気が気ではなく、ノートパソコンや何かあったらとカメラも用意して高速道路で会場へ向かった。

途中、なかなか予約が取れないという魚沼市小出の焼き肉の名店に立ち寄って仲間と腹ごしらえした。店内はとくにマスクをしている人もなく、号外まで出るようなニュースがあったとは思えなかった。感染確認とは関係ないかもしれないが、魚沼市小出庁舎は午後7時ごろになっても窓からあかりがもれていた。

高橋正則さんが普光寺の山門を描いた「雨上がりの山門」
高橋正則さんが普光寺の山門を描いた「雨上がりの山門」

どうしても行ってみたい所があった。その1週間前に弥彦の丘美術館で開かれている企画展「高橋正則 油彩画展 〜魚沼冬の世界〜」を取材した。魚沼市に住む洋画家、高橋正則さん(71)が描いた展示作品のなかに、南魚沼市の普光寺を描いた作品が複数あった。

作品に描かれた普光寺は、山門を入るとそこから参道が真っすぐ延びるではなく、左へ曲がって延びているのがおもしろい。すでに浦佐へ出かけることが決まっていたので、出かけたついでに絶対に立ち寄って自分の目で確かめようと思った。

午前中に出発して普光寺を見学してから夜のイベントに参加して日帰りの腹づもりだったが、県内初の感染確認でそれどころではなくなった。夕方の出発になり、イベント前に日が暮れてしまった。

高橋正則さんが描いた普光寺の山門
高橋正則さんが描いた普光寺の山門

どうにもあきらめきれず結局、ホテルに宿泊。翌朝、さっそく普光寺へ向かった。道中であちこちに掲げられたポスターやのぼり旗でいろいろわかった。裸押合大祭が行われる毘沙門堂があるのが普光寺だった。

裸押合大祭は、日本三大奇祭のひとつで重要無形民俗文化財に指定されているが、恥ずかしながらうっすらとしか知識がなかった。毎年3月3日に行われてきたが、ことしから3月の第1土曜に変わり、7日の予定だった。毘沙門天の信仰者が各地から集まり、裸になってもみ合い、押し合う熱気あふれたまつりだ。

ポスターをはがして回っていた浦佐多聞青年団
ポスターをはがして回っていた浦佐多聞青年団

まさに濃厚接触そのもの。参加者も200人から300人にのぼるという。今の感染拡大の状況からすれば中止はやむを得ないだろう。三条市・八幡宮の献灯祭で奉納されるような大ろうそくがたくさん並んでいたが、これは予定通り火をともすと言う。

見学を終わって帰ろうと、山門前の土産店の女性と話していると、はっぴを着た3人の若者がやってきた。祭典の運営に当たる満30歳以下でつくる浦佐多聞青年団のメンバーだった。裸押合大祭のポスターをはがして回っていた。聞けば中止は残念だが、今の情勢では仕方ないと割り切っていた。土産店の女性は、店に張ったポスターを記念だからともらっていた。

ポスターをはがして回っていた浦佐多聞青年団

その後、三条にも住んだ日本のミケランジェロ、石川雲蝶が彫刻を手がけた魚沼市・西福寺の開山堂を約30数年ぶりに拝観した。さすがにそれだけ久しぶりだと、西福寺の前には土産店が立ち、開山堂は保護する巨大な屋根に守られ、西福寺の入り口は自動ドアになっているなど、当時とはかなり趣が変わっていた。青空が広がる気持ちのいい陽気だったが、境内で会った地元の人は、いつもより人出が少ないようだと話していた。

三条市へ戻ると国道289号、通称第二産業道路は、ふだんのような自然渋滞はなく、交通量は少なめだった。一方で、書店に寄るといつにないにぎわい。さまざまなイベントが中止になったので、営業している小売店などに人が集まったのだろうか。2月27日の全国小中高校の一斉休校の要請で局面が大きく変わった。その前提を通して見えるまちの風景は、いつもと違って映った。


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