天に届けと東日本大震災被災地の子どもたちが夢を書いた三条六角巻凧が福島の空を舞う (2020.3.10)

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東日本大震災からちょうど9年になる3月11日、福島第一原発事故の最前線となった福島県双葉郡の広野町楢葉町と楢葉町にまたがる「福島Jビレッジ」で地元の子どもたちの夢を書いた三条名物「三条六角巻凧」が天に届けてと空を舞う。

須藤凧屋で須藤さん(左)と斉藤さん
須藤凧屋で須藤さん(左)と斉藤さん

揚げる凧は縦2.85m×横2.12mと縦2.20m×横1.75mの2枚。広野町は国内最北端のバナナの生産地で、バナナの茎の繊維を素材にした和紙が製造されている。そのバナナ和紙を凧に使っている。

大きい方の凧に7枚、小さい方に5枚の子どもたちが夢を書いた73×57cmの和紙を張る。「未来」、「夢」、「平和」「夢よ叶え」、「立派な大人になりたい」、「富岡町がもっとふっこうしますように」などとのびのびと筆を走らせている。

キャンドルアーティストのキャンドル・ジュンさんが代表に就く一般社団法人LOVE FOR NIPPONは、2004年に新潟県中越地震が発生してから被災地で追悼イベント「Song Of The Earth」を行い、11年に東日本大震災は発生すると福島県郡山市に会場を移して追悼イベントを行ってきた。

バナナ和紙
バナナ和紙

昨年から福島Jビレッジを会場に移し、ことしは3月8日、9日、11日の3日間、有名ミュージシャンによるライブ、フードやマーケット、ワークショップ、シンポジウムなどが予定されていた。

そのなかのイベントのひとつがバナナ和紙の六角巻凧の凧揚げ。発端はキャンドル・ジュンさんがバナナ和紙の存在を見つけたこと。そこから凧に子どもたちの夢を書いて揚げ、天に届けようと思いついた。

福島県のいわき市に凧文化があり、毎年9月に「いわき凧揚げ大会」が開かれている。いわき市の凧を使って地元で完結させようと地元の関係者に問い合わせたが、時間が足りず調整できなかった。そこで三条六角巻凧に白羽の矢を立てた。

三条市・サイトウ建築の代表、斉藤巧さん(43)は、LOVE FOR NIPPONの理事で新潟支部長。斉藤さんの地元の三条市では、毎年6月に三条凧合戦が行われ、合戦に使われる三条六角巻凧を使うことにし、三条市で三条六角巻凧を作る須藤凧屋の須藤謙一さん(52)に製作を依頼した。

富岡町の子どもたちが夢を書いた紙を張った三条六角巻凧
富岡町の子どもたちが夢を書いた紙を張った三条六角巻凧

2月上旬に広野町の公民館で子どもたちから夢を書いてもらうワークショップを行い、となりの富岡町の小中学生30人が参加した。それを須藤さんがバナナ和紙を使った三条六角巻凧にはりまぜて完成した。

当日は三条凧協会(須藤謙一会長)の会員が凧揚げに出向く考えだったが、協会として移動自粛を決めたため、斉藤さんと有志が会場へ出向く。東日本大震災が発生した時刻、午後2時46分からLOVE FOR NIPPONの関係者と黙とうを行ったあと、いわば無観客で三条六角巻凧を揚げる。日が暮れたらキャンドルをともして追悼のキャンドルナイトも行う。

新型コロナウイルスの影響でイベントが中止されたことに「悔しさしかない」と斉藤さん。「福島の思いを、三条凧協会の皆さんの思いも込めて揚げたい」と言い、すでに来年の追悼式も会場を押さえているので「来年こそリベンジして、もっと盛大に凧を揚げられるようにしたい」と誓う。

須藤さんは「非常に残念だけど、こういう形で協力できたのは良かった。よく揚がってほしい」と願っている。

キャンドルナイトは11日午後5時から7時の間で、インスタグラムのlovefornippon公式アカウントYouTube Candle11thで生中継される。ハッシュタグは「#CANDLE11th」。


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