亡き妻が世話になった図書館へのお返しに100万円を寄付 (2022.1.21)

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読者家だった亡き妻が図書館を利用させてもらった礼にと、株式会社梨本商店会長の梨本清一さん(86)=三条市東本成寺=は、7月24日に開館する三条市図書館等複合施設「まちやま」に役立ててほしいと20日、三条市に100万円を寄付した。

三条市に100万円を寄付した梨本清一さん
三条市に100万円を寄付した梨本清一さん

妻のトアさんは昨年10月27日に79歳で急逝した。寄付で市役所を訪れた20日は、生きていれば80歳になったトアさんの誕生日でもあった。

梨本さんは「女房は本が好きで、死ぬまで図書館に大変、世話になったので、何か少し恩返しができないかと考えていました。図書館が新しくできるということで、お役に立てらと思ってささやかですが」とのし袋を滝沢亮市長に手渡した。

梨本さんは、三条保護司会会長や三条市教育委員長も務めた。2012年にもすべての公の職から退いたのを契機に教育行政に役立ててほしいと三条市に200万円を寄付している。

トアさんは図書館ボランティアを務めたこともある。「誇れる図書館ができるようでありがたい。町の顔、文化の顔ですから」と梨本さんは新しい図書館に期待。滝沢市長は「新しい図書館は三条市民はもちろん、近隣の市町村の人にも注目されている」と話し、「図書館をさらによくするよう使わせていただく」と寄付に感謝した。

滝沢亮市長に寄付を手渡す梨本さん
滝沢亮市長に寄付を手渡す梨本さん

梨本さんは70歳から写真を愛好している。これまでさまざまな公募展で入選、入賞した。通夜の前日、新潟県芸術美術展(芸展)に応募した作品が何度目かの入選になったと吉報があった。梨本さんは芸展の主催者に理由を説明して通夜のときだけ入選作品を持ち出して葬儀場に飾らせてもらった。

4人の孫がトアさんを持ち上げている写真。まじないを唱えると軽く持ち上がるという話を試している場面をとらえた。孫の笑顔に囲まれてはじけるような笑顔のトアさん。見る人の笑顔を誘う1枚だ。

タイトルは「幸せなとき」。トアさんはいかにもおばあちゃんらしく写ってあまり気に入らず、地元の三条市美術展は出品はNGで、芸展ならとOKをもらったが、トアさんは自身が写る作品が入選したことを知らないまま他界した。

笑顔の妻トアさんが写る芸展入選作「幸せなとき」
笑顔の妻トアさんが写る芸展入選作「幸せなとき」

誕生日前日の19日、通い続けている新潟市西蒲区岩室へ、はざ木の写真を撮りに行った。トアさんが亡くなってからシャッターを切ったのはこの日が初めて。孫がいつも梨本さんの写真のモデルになってくれる。肖像権の問題で人物の写真を撮ることが難しくなっている今、孫は梨本さんの作品に大きく貢献している。

「孫たちがいつでもモデルになってあげるからと言ってくれることに、いちばん元気づけられる」と梨本さん。「写真という趣味があって良かった」とかみしめる。

結婚記念日と誕生日は、家で酒を飲んだり、孫が来てくれたりして祝った。ことしの誕生日も、トアさんがいない以外は今まで通りの誕生日を次男家族と一緒に過ごした。

作品に文章を添えた「写文集」をこれまで2冊、発刊している。第3集の制作を考えていたが、トアさんに止められていた。妻を亡くした今、梨本さんは「やっぱり挑戦したい」と力を込めた。


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