燕三条地域から託された支援物資をラブフォーニッポンが村上・関川の被災地へ届ける (2022.8.9)

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東日本大震災を契機に全国各地の被災地支援に取り組んでいる一般社団法人ラブフォーニッポン(LOVE FOR NIPPON・広末順代表理事・東京都渋谷区)の理事で新潟支部長の斉藤巧さん(46)=三条市=は6日、燕三条地域の企業などから寄せられた支援物資を豪雨で大きな被害に見舞われた村上市と関川村の被災地に届けた。

最も土石流による被害が大きかった村上市小岩内地区
最も土石流による被害が大きかった村上市小岩内地区

齊藤さんが支援を呼びかけ、6社から寄せられた竹ぼうき、ジョレン、扇風機、スコップなど復旧作業に必要な物資や資機材を中心とした支援物資を小型トラックに満載して被災地へ運んだ。

前日5日に各社を回って物資を引き取った。寄付してくれた企業のひとつ、新潟県三条市の厨房機器メーカーの株式会社ハイサーブウエノ(小越元晴社長)は、高圧洗浄機5台をはじめ、ウェットティッシュやウエスを寄付した。

ハイサーブウエノの小越会長から支援物資を受けた斉藤さん
ハイサーブウエノの小越会長から支援物資を受けた斉藤さん

同社は2020年の熊本、山形での水害でも高圧洗浄機をラブフォーニッポンに託しており、今回で3回目。大手飲食チェーン店専用に鍋洗浄機に組み合わされいる高圧洗浄機が納品後に壊れると引き取っており、それを修理して寄付に充てている。

ハイサーブウエノからの支援物資をトラックに積み込む
ハイサーブウエノからの支援物資をトラックに積み込む

小越憲泰会長(76)は「急だったのでこれしか用意できなかったが、有効に使ってもらえれば」と話し、斉藤さんは感謝するとともに「現地を見てまたお願いするかも」と協力を頼んだ。

関川村役場で職員から被災や支援の状況を聞く
関川村役場で職員から被災や支援の状況を聞く

6日、斉藤さんは村上市の地理に明るい村上市神林地区の出身で三条市に住む高橋達也さん(40)に同行を頼んだ。高橋さんの勤務先は、住宅建築などを株式会社ディ・アンド・ファイブ(三条市須頃)。村上市内で家を建てた顧客の被害状況の確認も兼ねて同行した。

土沢ふれあい自然の家に支援物資を搬入
土沢ふれあい自然の家に支援物資を搬入

午前8時に三条市役所を出発し、まず向かったのが関川村役場。高橋さんの知り合いの村職員を頼って支援物資の届け先を確認し、旧土沢小学校の土沢ふれあい自然の家に届けた。そこから関川村社会福祉協議会へ。社協の建物裏手には米坂線が走っているが、土砂崩れで線路敷の土が流されてレールが浮いているようになっているところがあった。

関川村社会福祉協議会裏手の米坂線は線路の土が流された所も
関川村社会福祉協議会裏手の米坂線は線路の土が流された所も

社協の情報で5日にボランティアセンターが開設された「せきかわ ふれあいど〜む」へ向かい、支援物資を届けた。4日から現地入りしていた「にいがた災害ボランティアネットワーク」(三条市)の李仁鉄理事長(47)がすでに活動しており、週明け8日からボランティアの開始を目指していた。ボランティア活動の完了は「なんとか月内にめどがたてられたら」と話した。

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「せきかわ ふれあいど〜む」に設置された関川村災害ボランティアセンターで

「せきかわ ふれあいど〜む」から荒川の橋を右岸側へ渡ってまもなく、土砂災害の被害を受けた湯沢地区へ。湯蔵川沿いの集落に砂防ダムを越えた土砂が一気に流れ込んだ。

湯沢温泉の旅館があるが、道路はもちろん、旅館の中まで土砂や倒木が流れ込んで積もった。この時点ではまだ断水しているので使えないが、とりあえず住民に直接、高圧洗浄機を渡した。

関川村湯沢地区に流れ込んだ土砂
関川村湯沢地区に流れ込んだ土砂

猛暑のなか、住民は泥出しなど後始末に忙しかった。胎内川や支流のはんらん、土石流などで42人の死者・行方不明者を出す大きな被害を受けた1967年の羽越水害を住民に思い出させ、「羽越水害のときと一緒」とため息をついた。

斉藤理事と花角知事
斉藤理事と花角知事

床下浸水した酒店は、羽越水害を教訓に建て直した家は床を高くした。おかげで水深は床ぎりぎりのところでとまり、床上浸水を免れた。花角英世知事が視察に訪れて被害状況を視察。被災地に続く道路が大きく陥没して重機が入れない状態だったが、この日のうちに通行可能になると聞いて速やかな復旧に期待した。

湯沢地区の大きく陥没した道路
湯沢地区の大きく陥没した道路

次は浸水被害のあった村上市下鍛冶屋地区へ。国道7号と国道113号が交わる十文字交差点から北の荒川の方へ向かった坂町駅付近の地区が浸水したもので、そこにあるスーパー、原信荒川店がすべての商品を廃棄したようすが大きく報道された。

村上市下鍛冶屋では家のガラス窓の下よりも高い位置に浸水の痕跡の線が残る
村上市下鍛冶屋では家のガラス窓の下よりも高い位置に浸水の痕跡の線が残る

同店付近の道路の塀を見ると、おとなの首の高さくらいまで水のあとが残っており、水深1.5メートルにも達したことがわかる。駐車されている車はボンネットまで水に使っており、多くの車が故障したと思われる。

下鍛冶屋で支援物資をトラックから降ろす
下鍛冶屋で支援物資をトラックから降ろす

そこにあった高橋さんが立ち寄った顧客の家も床上浸水しており、エアコンも室外機が水につかって3台のうち動くのは1台だけ。床下にも泥が入っていると思われ、新築だが床をはがして泥出しする必要があるという話になり、とりあえず後始末に使えそうな支援物資を渡した。

村上市川部地区の高橋さんの知り合いの家では総出で床上浸水の後始末
村上市川部地区の高橋さんの知り合いの家では総出で床上浸水の後始末

続いては今回の県内被害で最も大きく報道された土石流に見舞われた荒川右岸のふもとの小岩内地区へ。関川村湯沢の下流側でもある。そこから下流側の川部地区には、高橋さんの知り合いの家に立ち寄ると、家族総出で泥出しに追われていた。

支援物資を運び込んだ川辺公会堂
支援物資を運び込んだ川辺公会堂

救援物資や食糧を置いている川部公会堂に支援物資を置き、住民で使ってもらうことにした。住民は羽越水害を思い出しながらも55年前のことなので、「当時は小学生だったから自衛隊が来た記憶くらいしかない。何から同手をつけたらいいのか」と困惑していた。

土石流で家も道路も流された村上市小岩内地区
土石流で家も道路も流された村上市小岩内地区

そして小岩内地区へ。土石流の力のすさまじく、爆弾が落ちたように道路が大きくえぐれ、家が流されて息をのむ惨状が広がっていた。地元の人の話では、砂防ダムが設置されていたが、すでに土がたまって機能しない状態だったという。また、斜面をコンクリートで固めた区域についてはまったく被害がなく、明暗を分けた。

小岩内地区に支援物資を託す
小岩内地区に支援物資を託す

ボランティアセンターが稼働する前にラブフォーニッポンが被災者に直接、届けた支援物資は、どこでも大歓迎された。斉藤さんは「まだ全然、機能していないところがあり、みんな混乱している」と言い、各地域をリーダーがまとめ、行政にも迅速な対応に期待。「第1回目で各地を回ってあるていどの状況を把握できたので、次の支援の仕方をラブフォーニッポンとして考えて行動したい」と支援の継続する考えを話した。斉藤さんはこのあと村上市社会福祉協議会へ立ち寄るなどして帰路に着いた。

一方、村上市では断水が発生したため、村上市の要請で日本水道協会が窓口となって自治体に給水車を要請し、断水している地域で活動している。三条市では4日から給水車を村上市へ派遣している。

がれきで埋まった
がれきで埋まった

5、6日は村上市下鍛冶屋の県立坂町病院に隣接する高齢者グループホーム「たかつぼ」の受水槽への給水を行ったほか、6日は受水槽の水が足りたため、県立坂町病院の駐車場に設置された給水所への給水も行った。

県立坂町病院の給水所に水を供給する三条市水道局
県立坂町病院の給水所に水を供給する三条市水道局

6日は三条夏まつりの大花火大会だったが、給水作業は毎日午後8時ごろまで続くので、担当の三条市水道局職員2人は花火見物をあきらめて給水作業を続けていた。


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