2023年6月24日の開館から1年になった新潟県弥彦村の図書館「らいわ弥彦」（徳永絹枝館長）は23日、1周年記念セレモニーを行って30日までの1周年ウイークイベントをスタートした。この1年間の来館者数の目標2万5000人に対して22日までの来館はその2.5倍にのぼる約6万2000人を数え、数字では想定を大きく超える実績をあげた。

1周年記念セレモニーは中庭が会場の予定だったが、雨のため館内で行い、80人ほどが参加した。この1年間で最もたくさん本を借りた弥彦小学校3年・石塚かんなさんを1日図書館長に任命した。

地元の「弥彦よさこい添弥」がよさこいソーランを踊り、「矢作講中」が笛や太鼓の演奏を披露。参加者を対象にオリジナルトートバッグなどが当たる抽選会もあり、図書館らしからぬにぎわやかなセレモニーとなった。

本間村長「1日ゆったりと過ごしていただける空間に」

本間芳之村長はあいさつで、来館者数の多さと同時に村外からの参加が半数近くあることを喜んだ。

今後は「らいわ弥彦だけではなく、いろんなイベントをやっていきたいと準備をしている。地域の皆さまから1日ゆったりと過ごしていただける空間となるようにこれからも一生懸命、努めていく」と述べた。

日本工業大学名誉教授でもある波多野純建築設計室代表の波多野純さんは、らいわ弥彦の設計を書架のレイアウトやいすの選定なども含めて担当した。

波多野さんは「気楽に靴を脱いだり、時には1階でお茶を飲んだりしながら本を読む。そんな環境までいろんなものを求めましょうというつもりで、まさに本を読まなくても遊びに来てくださいというのが、コンセプトだった。本当にこの1年間、どんどんらいわ弥彦が成長したのは、来てくださる皆さんのおかげと強く感じている」と利用者に感謝した。

1日図書館著に感謝状を渡した三上晴由貴副村長は、さまざまな人がさまざまなシーンでらいわ弥彦を活用していることを喜び、「今後もらいわ弥彦が皆さまがたに愛され、それぞれが思い思いに時間を過ごせる存在になることを祈っている」と話した。

徳永館長「スタッフが私の宝」

徳永館長はこの1年を振り返って多くの人に感謝している。「スタッフがここまでも頑張ってくれなければ、図書館司書もない私がやってこれたのもそのおかげ。スタッフが私の宝」と、とくにスタッフに感謝し、「独自の図書館、いろんな概念にとらわれない自由な図書館を目指したい」と話した。

周辺は役場と住宅街という立地で、来館者数は想像もつかなかったが、目標を大幅に超える来館者があり、「カフェやBGMといった空間づくりで多くの皆さまから支持をいただいているのは本当に驚き」で、「いい意味で想定していないことがたくさんあった」。

今後は「図書館のコンセプト“世代間がつながる村”をもっと強く意識しながら、子どもも年配の人も交流していけるような素晴らしい取り組みをとくにやっていきたい」と将来を見据えていた。

1周年ウイークイベント期間中は毎日、本を借りた人にらいわ特製グッズを先着300人にプレゼントする。26日(水)は午後2時から落語公演会、29日(土)は午前10時から電子書籍体験会、午後1時からゼンタングル体験、午後4時からブックトークイベント。

30日(日)は午前10時半から弥彦えほんの会の読み聞かせ、11時から手作りワークショップを行う。

関連リンク

• らいわ弥彦オープン１周年記念イベント｜弥彦村 Yahiko village（新しいウィンドウで開く）