昨年から女人禁制解除の三条大名行列 昨年初めてはやし方に女性が参加したのに続きことしは初めての女性のやっこがお目見え (2025.5.13)

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14日(水)を宵宮、15日(木)を大祭に新潟県三条市・八幡宮(藤崎重康宮司)で春季大祭、通称「三条祭り」が行われる。15日午後から行われる名物行事の大名行列は、昨年から女人禁制が解除。昨年は、はやし方で女性が参加したのに続き、ことしはやっこでも初めて女性2人が参加して大名行列に新たな1ページを刻む。

女性初のやっこを務める鳥羽さん(左)と倉橋さん
女性初のやっこを務める鳥羽さん(左)と倉橋さん

やっこを担うのは三条先供組合(山田貴之会長・組合員55人)。第一番と呼ばれる行列の先頭集団で、先箱(さきばこ)や長柄(ながえ)、槍(やり)を持って行列を先導する。

2人1組になって長柄や槍を投げ渡したりする演技を行いながら「えーとまーかせー」、「えーあれわいさーのさー」とかけ声を上げながら進んで邪気を払い、道中の安全を確保する。10日から12日までの3日間、三条市厚生福祉会館に集まって練習した。

初めての女性のやっこは保育士と中学3年生

女性初のやっこに名乗りを上げたのは、いずれも三条市に生まれ育った保育士・倉橋由佳さん(39)と第二中学校3年・鳥羽一花さん(14)だ。

12日の最後の練習
12日の最後の練習

倉橋さんは小学生のころからやっこにあこがれ、「ずっと(やっこの)おっかけしていた」と言う筋金入りのやっこファンだ。これまで大名行列は男性しか参加できなかったので、「やりたいけどできないから、モップとか長いものを投げていた」とあきらめていたが、女性も参加できると聞いて手を上げた。

倉橋さんにとってやっこの魅力は、「かっこいいじゃないですか」のひと言。実際に練習に参加してみると「皆さんのやっこが好きな熱が伝わってくる。かっこいいと思った」と、中に入ってみてもやっぱりかっこいいイメージは変わらない。

練習最終日の12日は、筋肉痛との戦いも。「かけ声のタイミングとか見てるだけではわからなかった」と見ているだけではわからない難しさを感じながらも「女性初と大々的になってるから、恥じないように。とりあえず落とさないように」と先駆者の役割を果たせるよう気を引き締めていた。

倉橋さん
倉橋さん

鳥羽さんは小学生が大名行列を演じる「三条こども大名行列」に小学校2年生から6年生まで参加した。中学生になってからもサポーターとしてかかわっている。

いよいよ初めての本物の大名行列。長柄を担当する。「大技とか決められるように頑張る。今はめちゃめちゃ緊張している。とりあえず堂々とやりたいと思っている」と話している。

大名行列で後方に位置する八幡宮囃子(はやし)方組合には、以前から女性も所属していた。しかし女人禁制の大名行列に女性の参加を許されず、女性は本祭当日の朝から正午まで60軒ほどの氏子の家を回りながら演奏する「朝回り」にしか参加できなかった。

鳥羽さん
鳥羽さん

女性も大名行列に参加したいという声が年々、高まるなか、昨年の総代会で機が熟したとして八幡宮囃子方組合と、あわせて三条先供組合の女人禁制の解除を決定した。さっそく昨年は八幡宮囃子方組合の女性10人余りが大名行列に参加する歴史的な一歩を踏み出した。

もう一方の三条先供組合は、昨年は女性の参加希望がなかったが、ことしはついに女性のやっこが実現する。

女性の参加はいい意味で男子メンバーの刺激にも

会長の三条仏壇伝統工芸士・山田貴之さん(57)は女性初のやっこについて、一昨年まで女性が正式な衣装を着けて大名行列を歩けなかったが、昨年は囃子方(はやしかた)で女性が許され、「ことしになると一気に進み、誰も反対しないというか、動くときにはめちゃくちゃ簡単に動くんだなというのを実感した」と言う。

新会長の山田さん
新会長の山田さん

女性の参加によって「いやもう全然、華やかになった。雰囲気も違うし、今までのやっことは全然、違う感じがする。新しい時代が来たと実感している。今までのメンバーもやる気が違うし、今までこんなにけいこを一生懸命、やったのかなっていうぐらい、3日間、充実したけいこをしている。きっときれいなやっこを見せてくれる」と古いメンバーの刺激にもなった。

山田さんにとっては39回目の大名行列。今回、約30年にわたり会長を務めた赤坂一夫さんが退き、山田さんが会長に就いた。特別な年であり、「会長になれば思いも全然、違う。三条の皆さんから楽しんでもらうようなやっこを進めていきたい」。

ことし参加するやっこ40人は過去最多規模だ。「一昨年まで本当に人がいなくて大変な状況が続いたのに、いきなり去年ぐらいから参加が増えた。ことしはもう一気にっていう感じで増えた」と山田さんも驚く。

鳥羽さんと山田会長
鳥羽さんと山田会長

持ち物の数は決まってるので、本来は2人1組のところ3人でひとつの持ち物を担当し、交代しながら務める考え。まさにうれしい悲鳴だ。

15日の大名行列は午後0時50分に八幡宮を出発。参道から大通りを進み、5時から神輿(みこし)が八幡宮に宮入して舞い込みが行われる。


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