金属洋食器卸の(株)酒井(資本金1000万円、燕市燕)は、5月29日に新潟地裁三条支部から破産手続き開始決定を受けた。負債は約50人に対し約5500万円。
帝国データバンク新潟支店の調べでは、同社は1962年創業、77年4月に法人改組された。スプーン、ナイフ、フォークなど金属洋食器のほか、業務用厨房用品の卸売を手がけ、ホテルや飲食店をエンドコーザーとして2002年3月期には年売上高約2億9700万円を計上していた。
しかし、競合数化で慢性的な業績不振が続き、採算の確保が困難となっていた。ゼロゼロ融資など金融支援も受けていたものの、24年3月期の年売上高は約1億4500万円に落ち込み、加えて代表の高齢化や社員の退職、病気療養などもあって、ことし3月13日付で事業を停止。事後処理を弁護士へ一人し、自己破産申請の準備に入っていた。