新潟県教育委員会は、ことし3月に策定した2025年度から34年度までを計画期間とする「県立高校の将来構想」に基づく県立高校の再編整備計画を公表した。県央地域では、新潟県央工業高校と三条商業高校を統合し、工業系学科と商業系学科をあわせもつ新たな専門学科の高校「産業高校」を設置する計画だ。校舎は地元と協議して検討する。
新潟県教育委員会は、令和11年度に新潟県央工業高校と三条商業高校を統合し、新たな専門高校「産業高校」を設置する計画を明らかにした。この新設校は、工業系学科と商業系学科を併せ持つ、これまでにない学びの場として注目を集めている。
産業高校では、生徒が自身の専門分野を深めつつ、他学科との横断的・協働的な学びを通じて、新たな価値を創造できる人材の育成を目指す。工業系の生徒が商業の専門科目であるマーケティングや原価計算を学ぶことで、製品の付加価値や製造原価を意識した「ものづくり」に取り組むことが可能になる。
具体的な教育課程では、他学科の専門科目の一部を選択可能とし、生徒が自分の専門分野とは異なる知識や考え方を取り入れ、既成概念にとらわれない新たな発想を生み出すことを奨励する。
とくに、生徒が自ら探究テーマを設定する「課題研究」では、工業系や商業系といった学科の枠を超えたグループを編成。それぞれの学科の専門性を生かしながら、地元企業の協力を得て、実践的で協働的な探究活動を展開する。これにより、地域産業が抱える課題解決に貢献できる人材の育成を目指す。
さらに、将来の起業を見据えたアントレプレナーシップ教育や、海外との取引を想定した国際理解教育にも力を入れる。これにより、グローバルな視点と実践的なビジネススキルを兼ね備えた人材の育成を目指す。
地域産業界や大学などの高等教育機関と連携した実践的な職業教育やインターンシップ、デュアルシステムなども積極的に導入し、産官学が一体となった教育課程の開発にも取り組む方針。現在、新高校の校舎については、地元関係者との協議を進めながら検討を進めている。
2025年度 | 設置済 ・三条高校に理数科を設置し、理数科内にメディカルコース及びイノベーションコースを設置する。 |
2026年度 | ・新潟北高校と豊栄高校を統合する。 ・新潟北高校の校舎内に、デザイン、健康科学、こども福祉など、多彩な学びの選択肢を備えた、単位制による全日制普通科高校を新たに設置する。 |
・柏崎翔洋中等教育学校前期課程を募集停止とする。 ・柏崎高校の校舎内に『柏崎高校附属中学校(仮称)』を設置し、併設型中高一貫教育校とする。 |
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新しい普通科系学科 ・十日町高校に、探究的な学びに重点を置いた新しい普通科系学科の『クロスカ探究科(仮称)』を設置する。 |
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・佐渡中等教育学校前期課程を募集停止とする。 ・佐渡中等教育学校の校舎内に佐渡高校両津キャンパス(単位制による全日制普通科)を設置する。 |
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2027年度 | 特色ある教育プログラム ・国際情報高校を募集停止とする。 ・国際情報高校の校舎内に、ケンブリッジ国際教育プログラムを導入した新たな全日制単位制高校として、『国際フロンティア高校(仮称)』を設置する。 |
2028年度 | 新たな中高一貫教育校 ・村上高校と村上中等教育学校を統合し、新たな併設型中高一貫教育校を設置する。(併設型中学校は令和10年度から募集を開始し、併設型高校は令和13年度から募集を開始する。) |
セルフデザインハイスクール ・正徳館高校を長岡明徳高校と統合し、長岡明徳高校を「セルフデザインハイスクール」とする。 ・長岡明徳高校夜間部を募集停止とし、長岡明徳高校に通信課程を設置する。 |
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セルフデザインハイスクール ・高田南城高校を「セルフデザインハイスクール」とする。 |
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2029年度 | 全通セルフデザインハイスクール ・新潟翠江高校を新潟向陽高校と統合する。 ・新潟翠江高校の通信制課程を新潟向陽高校に移管し、全日制課程と通 信制課程を併置した「セルフデザインハイスクール」とする。 |
産業高校 ・新潟県央工業高校と三条商業高校を統合し、工業系学科と商業系学科を併せ持つ新たな専門学校「産業高校」を設置する。 |