1年の折り返しにあたる6月30日は、半年分の罪やけがれをはらう「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」が全国の神社で行われる。茅萱(チガヤ)で作る「茅の輪(ちのわ)」をくぐると無病息災、厄除けになるとされる。夏の風物詩でもあり、新潟県燕市宮町の戸隠神社(星野和彦宮司)では、ことしも1日早い29日と30日の2日間にわたって大祓式と茅の輪くぐりを行う。
茅の輪は早くから設置しても大祓式は30日だけに行うのが一般的だが、戸隠神社は日程が合わずに参拝できないことのないよう前日と合わせて2日間、行っている。
茅の輪は、左回り、右回り、左回りと3回くぐる。茅の輪をくぐる。1週間前から参道の石鳥居を利用して茅の輪を設置しているので、いつでもくぐることができるが、29日と30日はいずれも午後8時から大祓式を行い、神事のあと参拝者が行列して茅の輪をくぐる。
さらに拝殿前で祝詞を奏上、木綿(ゆう)と麻を裂くなどの神事のあと、参拝者に紙垂(しで)付きの萱とせんべいを授与する。
事前に氏子町内などに人形(ひとがた)を配布してある。人形に名前や年齢を書き、それで体をなでて息を吹きかけ、自分の罪やけがれをうつし、神社に納める。境内にも人形と人形の納め箱を用意してある。時代を反映してイヌとネコ、車をかたどった形代(かたしろ)も用意している。
星野宮司によると人形を求める人やすでに人形を納めた人が例年により多く、それだけ先行きに不安を感じているのではないかと話していた。