新潟県燕三条地域のものづくり企業を擬人化したトレーディングカードゲーム「匠の守護者」のキャラクターNFT(非代替トークン)」が「デジタル三条市民証NFT」にリニューアルし、あわせて全国初の「デジタル三条市長選挙」が行われる。NFTとメタバースを活用した新たな地域内外の担い手創出を目指す画期的な取り組みだ。
「匠の守護者NFT」は、日本アニメ・マンガ専門学校の学生デザイナーが燕三条の企業を擬人化したトレーディングカードとして、地域産業のPRや子どもたちの地場産業学習のきっかけとして活用されてきた。三条市と燕市のふるさと納税の共通返礼品としても提供され、燕三条地域の魅力を発信してきた。
今回のリニューアルで、「デジタル三条市民証NFT」を保有する人は、チャットや音声通話ができるアプリ「Discord」に参加し、リアルな市政に関する意見交換や情報発信、三条市民との交流会に関する企画、討議に参加できる。
地元飲食店で使えるデジタルクーポンや三条凧合戦など地域イベントの優先参加券などデジタルとリアルを融合させた仕掛けが楽しめる。加えて嵐渓荘の貸切やものづくり体験ツアーといったオリジナルな特典サービスを受けられるプレミアムNFTを発行するなど、デジタル空間を通じた市民参加型のパスポートとしての機能が加わる。
さらに注目なのは、デジタル三条市民証NFTを保有する人が立候補、投票できる「デジタル三条市長選挙」の実施。全国初の試みで、三条市外の住民でも地域の課題について考えるきっかけを提供し、まちづくりへ参画できる新たな枠組みを構築する。
デジタル三条市長の任期は1年間。デジタル市民の活動に関する企画チームに参画し、デジタル市長として企画発案権をもつ。三条市のメタバース空間「バーチャル三条市」の愛称決定権と空間制作の決定権も与えられる。
12月に立候補を受け付け、公開討論会を予定。投開票と就任発表はリアル会場とYouTube生配信で同時に行われる。
15日からNFT参加型RPGによる現地回遊イベント「燕三条RPG 匠の守護者 ローズ・トゥ・ザ・スプーンズ」も開催。参加者は、三条市内の工場や店舗などの「聖地」を巡り、QRコードを読み込むことでゲームが進行する。
デジタル市民証NFT(非プレミアム、1,000枚限定)が無償配布される。デジタル上で三条市にかかわり続けるアイデンティティー醸成が目的で、2026年3月末まで行われる。
「デジタル三条市民証NFT」の入手は、ふるさと納税の返礼品(1万円の寄付でNFT1体)と、BASE公式オンラインショップでの直販(1セット税込み3,000円ていどでNFTと紙製トレカパックがセット)の2つの方法がある。
滝沢亮市長は15日の定例記者会見でNFTを市民参加型のパスポートとして活用し、デジタル空間を通じた新たな地域の担い手の創出に取り組んで行く」、「匠の守護者」を販売する株式会社燕三条の結城靖博代表取締役は「三条市と手を取り、地域の魅力を次代に継承し、市外に届けるこの取り組みを全力で推進していく」と述べた。