11日から17日まで新潟県内を会場に開かれている第45回高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会に新潟県代表として出場した三条市の旭スポーツ少年団の初戦が14日、ハードオフエコスタジアム(新潟市中央区)で行われた。投打と堅守がかみ合い、庄野シリウス(三重)に9-2で快勝。三条勢初出場で初戦突破の幸先のいいスタートを切った。次の試合は15日午前11時25分から地元三条市の三条パール金属スタジアムでの3回戦。地元の応援が期待される。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | ||
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庄野シリウス | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 |
旭スポーツ少年団 | 3 | 4 | 0 | 0 | 2 | × | 9 |
全国の代表53チームがトーナメントで競っている。新潟県からは旭のほかに開催枠で3チームが出場している。旭は2回戦からの出場。1回戦で峰栄スピリッツ(山形)に17-7で勝った庄野シリウスと対戦した。
旭は1回表に失策で先頭打者の出塁を許したものの、続く打者を遊ゴロに打ち取って走者も刺して落ち着き取り戻した。その後、内野安打で1点を失ったもののまずまずの滑り出しだった。
その裏、四球と内野安打で走者2、3塁となったところで小柳有生選手が左中間越えのエンタイトルを放って2点をあげ、あっさり逆転。さらに1点を追加してこの回で3-1とひっくり返した。
2回に4点、5回にも2点を加えた。投手は先発の吉田結晴選手が2回を投げ、継投した小柳有生選手が4回を投げて相手打線を封じた。失点は1回と5回のそれぞれ1点だけ。守りも堅く、最後の打者は小柳有生選手がねらって三振に仕留め、終わってみれば9-2と危なげない勝ちっぷりだった。
高畑哲也監督は「打つべき選手が打てたのが勝因」で、「あの1本が大きかった」と小柳有生選手の左中間越えの逆転打を振り返った。6月14日に新潟県予選大会で優勝してからちょうど2カ月もたつ。「子どもたちの気持ちが切れる場面も感じながら再度、気持ちを入れさせる仕事は大変な作業だった」が、「ここ数年、県勢は初戦敗退が続いていたので、ひとつ勝って明日は三条パールスタジアムへ行ける。そこで頑張ってる姿を見てもらいたい」と話した。
全国大会の大舞台に「入りは緊張した様子が見られたが、声を出せ、緊張を集中に変えろと声をかけ、頑張ってくれた」と評価。次の試合に向け、「とにかく楽なゲームはないと思うので、なんとかへばりついて持ち前の守備力でチャンスに1点でも2点でも取って、それを守り切る守備でいきたい」と意気込みを示した。
主将の塚田晄人選手は立ち上がりについて「エラーが続いてしまったのでやばいなと感じた」が、「切り替えてねとか、楽にねとか声をかけた」。自身は2回には適時打を放った。「バッティングは打てる時に打ったけど、バントが決められなかったので次の試合は決めていきたい」。次の試合は「三条市なので地元の人がいっぱい来ると思うから、その応援を力にして頑張りたい」と話した。
3回から投げた小柳有生選手は、1回に放った逆転打について、バントを失敗したあと「甘く来たインコースを打った」。「三重県のチームのバッターに速い球もとらえていたので、最後は緩い球も使ってみた」。最後は三振はねらっていた。翌日の試合に向けて「地元なのでまた勝てるようにきつい練習を頑張る」とこのあとも練習すると話した。
その双子の兄弟の小林伊生選手は、逆転の本塁を踏んだ。失策で先頭打者の出塁を許して「びびった」が、「みんな守ってくれると思ったけど守りきれなかった。自分がエラーしてしまったので、次のバッターになったら絶対に塁に出てチームの役に立てるようにしようと思った」。翌日の試合は「守備ではミスしないこと」と気を引き締めた。
試合後はスタンドで応援した保護者の前で整列し、「あしたは三条市のパールであるので応援よろしくお願いします。きょうはありがとうございました」と頭を下げた。ほめられて喜ぶというよりは照れくさそうで、保護者に「喜んでいいんじゃねーの?」と突っ込まれていた。
次の試合は15日午前10時25分から三条パール金属スタジアムで行われる3回戦。14日午後4時から行われる2回戦の沖水ジャイアンツ(宮崎)ー田原本南リトルヤンキース(三重)の勝者と対戦する。