20日、21日と新潟県三条市の三条防災ステーションで開かれた「三条凧(いか)合戦」秋季大会で21日、初めて子どもたちによる凧合戦「SANJO IKAGASSEN NEXT(三条凧合戦ネクスト)」が行われ、子ども揚げ師がおとな顔負けの熱戦を繰り広げた。
三条凧合戦は350年以上続く伝統行事。毎年春に行われているが、新人戦の位置付けで秋季大会も開かれている。主催の三条凧協会(須藤謙一会長)には30組が加盟している。そのうち24組と群馬県前橋市の上州凧協会を含む過去最多の25組が参加し、合戦を通じて若手の腕を磨いた。
初めての子どもたちによる合戦は、未来の担い手たちに凧合戦の魅力を体感し、継承の機会にするのを目的に昨年、初めて企画した。しかし雨で流れ、ことしが初開催となった。
参加者は募集し、4組の25人が申し込んだ。この合戦前に三条凧ばやしの演奏と踊りを披露した裏館小学校郷土クラブ郷土クラブもチームをつくって加わり、当日申し込みも含めて35人が参加した。
チームごとに昨年、新調した青、緑、紫、黄の4色の子ども用のはっぴがユニホームだ。おとなの凧組が主導したチームもあれば、その場で編成したチームも。おとなの指導で凧揚げを練習してから、いざ出陣。30分ずつ、2回戦を行った。
前夜の雨はあがり、凧揚げに絶好の風が吹いた。円陣を組んで気勢を上げたり、「優勝するんだっけな!」とおとなにはっぱをかけられたり。おとな顔負けの糸さばきを見せる子どももいた。
上空で糸がからむと指導するおとなもスイッチが入る。糸が絡むと「入った!」と合戦開始をアピール。大きな声で揚げ師に指示するのに、おとなも子どもない。つい言葉が激しくなって「子どもだよ!」とたしなめられることもあり、真剣勝負だった。
前日のおとなの合戦でも見られなかった相手の糸を切るために滑車が利用したカラという道具を使って糸を持って走る三条凧合戦ならではのダイナミックなシーンも何度もあり、おとなの方がエキサイトするのも無理はなかった。
合戦の結果、三条越路組が主導したチームパープルが12点で栄えある初優勝を飾った。次いでチームポプラ、チーム裏小、チームあお、チームきいろいいかの順だった。表彰式で各チームの選手に木札を送り、優勝には金のひもの木札。さらに全員に菓子をプレゼントした。
須藤会長は「非常に風にも恵まれてにぎやかな凧合戦ネクストができたのはすごく良かった。子どもたちがいっぱい来てくれ、参加してくれることで、私たちも伝統を続けていける。これからも毎年、やっていきたい」と手応えを感じていた。=1
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