新潟県レベルの剣道大会では県内最古の「第70回中山博道旗争奪剣道大会」が21日、新潟県燕市・分水総合体育館で開かれた。県内のほかに一部、隣県も含む156チーム、延べ826人が参加し、第70回節目の大会で竹刀を交えた。
主催は地元燕市分水地区の地蔵堂剣士会(霜鳥守雅会長)。戦後、GHQにより剣道が禁止されたが、1952年(昭和27)に解禁された。その翌年53年(同28)に、県内で最初の公式大会、中山博道旗争奪剣道大会を実現した。
大会名に冠された中山博道(1872-1958)は、「昭和の剣聖」と称され武道家。優勝旗にある「優勝」の書を神奈川県平塚市に疎開していた中山博道のもとへ出向いて揮ごうしてもらった。当時、製作したそのレプリカの優勝旗を今も使う。手にとって文字通り歴史の重みを感じることができる。
優勝旗は戦前戦後はよくあったが、近年は賞状、メダル、カップなどが一般的。製作や維持に経費がかかり、返還、管理の手間がかかる優勝旗は今となっては珍しく、それこそが伝統の証しのひとつだ。
小学生、中学生男子、同女子、、一般の4部門ある。年齢や所属を問わず誰もが参加できるオープン参加型が特色。初めて竹刀を握る世代から長年、剣道を続ける愛好者まで幅広く迎え入れてきた。
霜鳥守雅会長(55)は「剣道人口が減少するなかで裾野を広げ、剣道を続けるきっかけになる大会にしたい」と言い、勝敗以上に剣道を通じてつながりを大切にしている。
節目を祝う今回の記念大会では、長年にわたり大会運営に貢献してきた新潟県警察剣道連盟、五泉市剣道連盟、小針剣道教室(新潟市西区)、修礼館(燕市吉田地区)、和島剣道教室(長岡市和島地区)の5団体に感謝状を贈った。