新潟県三条市の合併20周年を冠して7月に開かれたことしの三条地区の夏まつり「第21回三条夏まつり」の実績報告と次年度に向けた改善策を話し合う第3回全体会議・実行委員会が29日開かれた。昨年、ことしと長岡花火と日程が重なるため開催日を1週間早めたが、来年は例年通りに戻して7月31日(金)、8月1日(土)の2日間とする方針が示された。
開催日は毎年、8月の第1週に設定しているが、毎年8月2、3日に行われる長岡まつりの大花火大会と重なると警備員が確保できない。
昨年、ことしと日程が重なったため開催日を1週間、前倒しした。来年は重ならないため、3年ぶりに例年通りの日程での開催で検討することにした。
冒頭、協賛会長の兼古耕一三条商工会議所会頭は、「猛暑のなか、すべての行事を無事に終えられ、節目にふさわしいまつりになった」と感謝。名誉会長の滝沢亮市長も「2日間で延べ約6万9千人の人出があり、笑顔にあふれた。三条市が一致団結する契機になった」と振り返った。
市議会の森山昭議長は「フィナーレの花火は20周年にふさわしい感動を与えた」と強調。協賛会福会長の浅間正直三条市自治会長協議会三条地区連絡員代表も「盛大な開催に尽力いただいた皆さまに感謝する」と述べた。
初日25日の「凧と凧ばやし踊り」には、市内小学校児童や三条凧協会など計890人が参加。観覧者は9千人にのぼった。猛暑対策でスクールバス運行や待機場所を工夫したが、音響の不備や児童の待機時間の長さが課題に挙げられた。「踊りのスタート地点で音が聞こえず、子どもが戸惑った」との指摘もあり、次年度は音響業者と協議し、改善を図る 。
続く「市民民謡踊り流し」には約1,000人が参加。救護所を設けたが参加者1人が体調を崩し、救急搬送された。隊列進行の遅れや備品不足も指摘され、実行委員は「列間の調整や紙コップ在庫確保が必要」と反省点を共有した。
26日の大花火大会は、2時間にわたりスターマインや10号玉など計数百発が夜空を彩った。観覧者は約6万人に達した。招待席の利用率は74%と過去3年で最高となった。YouTubeでのライブ配信は、同時接続数は1,915、当日視聴は1万2991回にのぼり、オンラインでも注目も高まった 。
一方で会場周辺の交通整理や招待席の案内方法に改善点が残った。とくい花火終了後、三条大橋下で歩行者と車両が交錯する危険性が指摘され、来年はバルーンライト設置などの安全策が検討された。
協賛行事の「カラー写真コンテスト」には59点の応募があり、最優秀賞は三条市の水野いづみさんの作品「いつもの帰り道」が選ばれた。入賞作は市役所や公民館で展示される 。
宣伝面ではポスター1,200枚や全戸配布のチラシ3万7千枚を製作。さらにケーブルテレビ、FMラジオ、YouTube配信、公式X(旧Twitter)でのチケットキャンペーンなど多角的に情報発信し、集客に寄与した。
収支決算見込みでは、総収入が約1億180万円、支出は約9,084万円で、約1,097万円を次年度に繰り越す見込み。花火費用は前年より1,000万円増の約7億1,200万円。物価高騰の影響を受けつつも、市民協賛金や広告収入で収支は安定した 。
来年は通常日程で開催へ
最後に実行委員長の齋藤一成三条商議所副会頭は「ことしの経験を踏まえ、さらに市民の誇りとなるまつりにしていきたい」と締めくくった。