金型設計・製造(株)吉井金型製作所(資本金 500万円、燕市)は、9月30日付で事業を停止した。今後、新潟地裁三条支部へ自己破産を申請する予定。負債は2023年12月期末時点で約1億9000万円だが変動している可能性がある。
帝国データバンク新潟支店の調べでは、同社は1985年創業、86年7月に法人改組された金型設計・製造業者。主に金属加工向けを中心とし、自動車関連(排気系、インパネなど)、住宅設備関連(給湯器、レンジフードなど)、器物雑貨関連(キャンプ用品、キッチンツールなど)の金型を製造していた。
絞り型、単発型、曲げ型など各種プレス金型に対応し、なかでも深絞りや異形状等の難しい形状の絞り型を得意としており、2016年12月期には年売上高約1億7123万円を計上していた。
しかし、近年は得意先が製造拠点を海外に移転したことや、地場産業の落ち込みなどにより業績迷が続いていたほか、熟練職人の離職もあって作業効率が低下していたことなどから、2024年12月期の年売上高は約9500万円にまで減少していた。
また、欠損が連続していたほか、債務超過が続くなど財務面がぜい弱で、厳しい経営環境を強いられていた。その後も業況は回復せず、資金繰りが限界に達したことから事業継続を断念した。