金属加工業の集積地、新潟県燕三条地域に全国から192社・団体が出展するものづくり系の見本市「燕三条ものづくりメッセ2025」が23日、燕三条地場産業振興センター(三条市須頃1)を会場に開幕した。

公益財団法人燕三条地場産業振興センター(新潟県三条市須頃1、理事長・滝沢亮三条市長)主催の毎年恒例の展示商談会。出展数は昨年の174社・団体を上回り、大型テントの規模を縮小して以降では過去最多。地域別では燕三条地域が約6割、それを除く県内が約2割、県外約2割の内訳で24日までの2日間、開かれている。
23日は開場前にオープニングセレモニーが行われた。主催者の滝沢市長は開会のあいさつで、10月初めに開かれた「燕三条 工場の祭典」参加企業数、来場者数、売り上げとも過去最高を記録したことにふれた。
「県央地域、燕三条地域の金属加工業、製造業、ものづくりは、県内のみならず、国内のみならず、世界に発信できるパワーをもっている」と誇り、「さらにこの燕三条地域盛り上げていきたい、国内に、そして世界に発信していきたいと思っているし、ものづくりメッセをその契機にしたい」と期待した。

共催団体代表で同センター副理事長、この日、燕市長に就任したばかりの佐野大輔市長は、「この展示会は、まさに燕三条のものづくりの技術力の高さを知ってもらい、企業と企業、新たな国の取り組みも含めて企業と学生が新たな取り組みに向けて出会いの場となる、そんな大きなイベント。この2日間で多くの出会いがこのものづくりメッセで生まれ、この地域が飛躍する大きな一歩となるように」と祈念した。
来賓の経済産業省関東経済産業局産業部の小澤元樹部長は、高市政権の誕生に伴う新たな経済対策にふれた。その柱は3つで、生活安全保障と物価高対策、投資、防衛力。それに加えて経産省への指示は地域クラスターや地域産品の販路拡大といった文言が出ており、「この地域とともに取り組んでいければ」と期待し、「われわれを使い倒していただければ」と支援を約束した。
新潟県産業労働部の野上文敏部長(代読)の祝辞のあと、テープカットを行って開場した。秋晴れに恵まれて来場者の出足も良く、朝から会場はにぎわった。

今回は初めて県内の学生を大型バスで招待し、地元の三条市立大学をはじめ、長岡技術科学大学や新潟県立大学、長岡高専、三条テクノスクールから学生約200人が来場する。
三条市立大学はさまざまな研究シーズを紹介するテクノロジーシートを展示するとともに、教員や学生が研究内容をプレゼン。学生の説明を聞く企業経営者らは、「素晴らしいプラグラムだね」と感心。学生は「成長できる。ほめられて伸びるタイプなので」と手応えを喜んでいた。
24日は午前10時から午後4時まで。午後1時から「製造現場の3Dプリンター最新技術一治工具(掛脂・金属)の活用事例を中心に一」をテーマに溶接・材料技術講演会もある。
また、燕三条ものづくりメッセにあわせてことしで3回目になる燕三条の職人フォトコンテストが開かれている。

地域の子どもたちや学生、一般の人たちから自らの視点で職人や技術者を撮影し、その魅力を伝えるのが目的。ことしは新潟デザイン専門学校学生による撮影会も開き、ふだんは入れないものづくりの現場の撮影を体感してもらった。
4歳から85歳まで幅広い世代から40点の応募があり、審査員賞をはじめ、18人に40点の応募があり、大人部門とU-18部門でグランプリや入選を決めて展示している。11月3日まで開催。