新潟県三条市と福島県只見町を結ぶ交通不能国道289号「八十里越(はちじゅうりごえ)」は、早ければ来年秋にも開通する。開通に向けた機運を民間からも盛り上げていこうと26日(日)、三条市側の玄関口ともなる下田地区の日帰り温泉「いい湯らてい」周辺を会場に初めての「八十里越フェス」が開かれる。
キャプテンスタッグ八木ヶ鼻オートキャプ場で屋外イベントの音楽フェスと飲食ブース、スポーツセンターはやぶさで八十里越ハロウィンが午前10時から午後5時まで行われる。
アートステージには、三条市のシンガーソングライター千央(ちひろ)さん、三条市出身のラッパーでラジオパーソナリティーのSWAMP(スワンプ)さんが率いるユニットをはじめ、市ノ澤瑠璃、shitada 和、小林大輔、彩羽、高山めい、ましお、日"和ら県内の若手アーティストを中心に9組が出演する。
ステージは下田地区のランドマーク、奇勝、八木ヶ鼻がバックになるように借景にして設営。ロック、フォーク、ダンスミュージックなど多様なジャンルのパフォーマンスを繰り広げる。
フードエリアでは、横田精肉店、いちばん家、M’s Graphic、傳七茶屋、綾ファーム、miau×myo、こくわ屋藤兵衛が出店。地域色豊かな料理が味わえる。
「八十里越ハロウィン」は、新潟けん玉部「GATAKEN(がたけん)」が会場装飾などをプロデュース。仮装歓迎のイベントだ。
ハロウィン仮装大賞、お化け屋敷、けん玉体験ブース、不要な和装品引換所、下田米試食、ボードゲーム体験会、専門学校生企画、燕市の複合施設「まちトープ」のワークショップ、ハロウィンフォトスポット、大学生によるデジタル体験コンテンツなど盛りだくさんだ。
ステージではGATAKENのけん玉パフォーマンスや弾き語り、キッズダンス、よさこいソーラン、チアキッズなどのパフォーマンスを繰り広げる。
さらに燕市地域おこし協力隊によるフードドライブ、地元の森町小といい湯らていがコラボした「発掘!下田の地層パフェ!」(680円)の販売、マルハン企業ブースもある。

八十里越フェスの仕掛け人は、 下田地区に生まれ育ち、消防士のかたわらシンガーソングライターとして活躍する熊倉善幸さん(48)。八十里越の開削に資材を投じた下田出身の自由民権政治家、西潟為蔵(にしかた ためぞう)(1845-1924)を功績を歌った曲「八十リバティ」をリリースしたばかりだ。
熊倉さんは2022年から自身の主催で毎年秋に下田地区で音楽フェス「スヂロック」を開催している。それを拡大させたような形で八十里越フェスを発想した。加えて毎年、開かれている「下田郷ハロウィンサブカル縄文フェス」が合体して八十里越フェスとなった。スヂロックは来年春の開催を予定している。
企画は当初、全国的に知られるアーティストに出演を依頼して2日間開催という大きな夢を描いた。地元関係者と実行委員会(渡辺定一会長)を組織して検討を進めるなかで、来年の本番に向け、ことしはプレイベントとして位置付けることにした。

内容も現状組織を踏まえて現実的に縮小した。翌週に同じ場所で開かれる「米フェス」と同時開催も検討したが、来場者をさばけないだろうと単独開催にした。
今回の経験を生かし、ステップにして来年は当初、描いた夢に可能な限り近い内容で開催する。その弾みにするために成功させなければならない。
26日は雨予報だが、24日朝には開催を決定。単管を組んでステージの設営が始まっており、実行委員会では大勢の来場を待っている。