新潟県三条市は、インターネット上の仮想空間「バーチャルSANJO」を舞台に、全国初となる「デジタル市民によるデジタル市長」を選ぶ「デジタル三条市長選挙」を12月に開催する。市が認証するデジタル市民証NFT「燕三条NFT匠の守護者」はすでに配付1,200枚を突破し、居住地を問わず誰でも市政にアクセスできる新たな取り組みだ。

公職選挙法に基づく制度ではなく、あくまで仮想空間で行う市民参加型イベント。NFTの保有者を「デジタル三条市民」と位置づけ、立候補から投票までをオンラインで完結させる。
立候補期間は12月1日(月)から5日(金)まで。20日(土)午後2時から4時までバーチャルSANJO内で公開討論会を実施し、投票はDiscordサーバー「燕三条匠の守護者PJ」上で21日(日)正午から翌22日(月)正午まで受け付ける。
選出された「デジタル三条市長」は1年間、メタバース空間の企画や「バーチャルSANJO」の愛称決定権、空間制作に関する意思決定など、デジタル上のまちづくりに携わる。市政の新しい参加モデルとして、全国の自治体からの視察や問い合わせも想定される。
「燕三条NFT匠の守護者」は、地域企業を擬人化したトレーディングカードを日本アニメ・マンガ専門学校の学生がデザインし、NFT化したもの。株式会社燕三条が発行し、市が公式認証する。
現在は1,500枚限定で無償配布中で、保有者はデジタル空間での討論や投票に加えて、実際のイベントや市内の店舗で使える特典も受けられる。ふるさと納税の共通返礼品としても人気が高まりつつある。
あわせてデジタル施策を複合的に展開する。市の象徴となるデジタル作品を募る「3Dオブジェコンテスト」では、三条市の名産品や文化をテーマにした3Dオブジェを一般から募集し、来年1月12日まで受け付ける。
審査員には滝沢亮市長をはじめ、国内メタバース業界を牽引するGugenkaやMoguraの代表が名を連ね、市長賞にはAmazonギフト券や記念品が贈られる。表彰式は2月上旬から中旬にかけて、バーチャルSANJO内で開催される予定だ。
また、Web3技術の地方活用を紹介する見本市「Local Web3 Expo 2025」を12月14日に三条ものづくり学校で開催。NFTやDAO、メタバース技術を地域振興に生かそうとする事例を集め、自治体職員、地域事業者、学生、研究者など幅広い層の参加を見込む。基調講演に「燕三条NFT匠の守護者」システム開発者が登壇し、展示ブースやワークショップも行う。