新潟県三条市の環境啓発施設「かんきょう庵」で14日、初めての「着物リメイク彩りコレクション」が開かれ、三条市内の2団体がコラボレーションして着物リメークのファッションショーと展示即売会が行われた。

2018年に発足した環境問題を啓発する団体「環境すまいる広場」(島田伸子代表)は年2回、かんきょう庵で着物リメーク展示即売会を開き、収益は寄付に充てている。
今回はかんきょう庵からの提案を受け、「鈴木道子着物着付け教室」(鈴木道子代表)とコラボレーションした。代表の鈴木道子さんは着物リメークを手がけて講師も務め、各地でファッションショーも開催している。

そこで着物リメークの展示即売会に先立って展示即売する衣装でファッションショーを開いた。両団体から9人ずつがモデル役を務めて25種類ほどのコーディネートを披露した。
次々と登場するワンピースやジャケット、ドレスが、かつては「もう着ない着物」だったとは思えないほど華やかな存在感を放った。鈴木さんは、作品の背景や仕立ての工夫を紹介しながら、着物を「捨てないで生かす」ことの喜びと可能性を伝えた。

もともと訪問着や振袖、小紋といった正装用の着物だったものも多い。訪問着だった着物が、ギャザーたっぷりの甘く可愛らしいデザインの洋服に生まれ変わったり、黒いパンツと合わせて着るワンピースや、羽織からジャケットへリメイクした作品もあった。
会場は100人余りが訪れてぎっしり。家のたんすに眠る着物たちに新たな息吹が吹き込まれるストーリーに聞き入り、着物に手をふれて確認していた。

モデルの中には、小頭症で就労継続支援B型の障害福祉サービス事業所「ファンフューチャー」を利用する加茂市の増井もえさん(20)の姿もあった。
事業所を運営する(一社)ピース・オブ・マインドの番場尚也代表理事が鈴木さんからモデルを探しているという話しを聞いた。増井さんもモデルや女優にあこがれていることを知っていたことから、増井さんに進めたところ、増井さんは出演すると即答し、実現した。

増井さんは着物の胴の裏側につける裏地、胴裏をリメークした華やかな白いドレスをまとって登場し、大きな拍手を受けた。増井さんは「初めてなので緊張したけど、皆さんのおかげで楽しくやれました。芸能界のアイドルや女優にあこがれていたので、テレビに将来、出たいと思って。その気分をちょっと味わえました」と大満足していた。
ファッションショーに引き続いて着物リメーク展示会。入場制限を行うほどの人であふれ、衣類のほかにバッグや小物など裕に千点を超える即売品を買い求めていた。