目的がなくても過ごせる市民の交流と滞在を促す場を目指して、燕市吉田産業会館(新潟県燕市吉田東栄町)内に15日、あまり活用されていなかったスペースを指定管理者が主体的にリニューアルした「わたまるカフェ」がオープンした。

カフェに生まれ変わったのは、正面玄関を入ってすぐ右手にあったポスター展示室。かつて下駄箱でもあったかと思うような位置にある。ポスターは廊下の壁への掲示に変更し、この14坪の空間を活用した。
ネーミングの「わたまる」は「わたしの○○をつくってほしい」という市民が自由に空間を利用してほしいという願いだ。
コーヒーマシンでコーヒーを200円で提供し、紅茶やジュースも200円。軽食のホットサンド350円やシフォンケーキ270円も用意する。

カウンター席が8席あるほか、オープンにあわせて少し離れたラウンジに新たに飲食できる3つのテーブルで12席を設けた。
カウンターの天板は、JR燕三条駅改修工事で使用された材料を再利用。キッチンの壁は熊倉シャーリング(燕市)から調達した金属の抜き型を装飾として生かした。利用者用の電源はこれから設置するが、無料Wi-Fiは設置済みだ。
燕市吉田産業会館は今年度から新たに総合ビルメンテナンス業「環境をサポートする株式会社きらめき」(山田茂孝代表取締役・新潟市中央区)が指定管理者となった。
以前から指定管理者となっている亀田市民会館(新潟市江南区)で3年ほど前から「亀田縞(かめだじま)カフェ」を運営している。その成功事例が前例となり、吉田産業会館でもコミュニティー型の空間運用を強化しようとカフェの新設を企画した。

吉田産業会館の指定管理者となって以来、すでに西蒲原土地改良区南地区事務所が引っ越して空いていた部屋には、無料の学習室と授乳室・おむつ替えスペースをオープンした。授乳室・おむつ替えスペースは、今年度中に子育てプレイルームに拡充する計画だ。
きらめき指定管理部指定管理課の宇佐美皓己課長補佐は「地元でも、ここにポスター展示室の空間があることを知らない人が多かった。いわば遊休スペースだった。気軽に立ち寄れる場にしていきたい」と話している。
営業時間は午前9時から午後4時まで、休業は年末年始の12月29日から1月3日まで。問い合わせは燕市吉田産業会館(0256-92-2500)。