二十四節気の各節気を約5日ずつに分けて季節を表す「七十二候(しちじゅうにこう)」。新潟県燕市の一般社団法燕市観光協会(藤田進会長)は、昨年に続いて季節感あふれる燕市の写真をデザインしたカレンダー「燕七十二候2026」を出版するのを記念して、16日から来年1月31日まで燕市産業史料館にカレンダーに収録した作品を展示している。

燕市の魅力を撮った写真集を燕市の二十歳にプレゼントしようと2023年7月に発足した「燕七十二候委員会」に、制作を委託。昨年、初めてカレンダーを発行した。好評だったことからことしも企画。カレンダーやプロジェクトを広く紹介しようと、ことしは新たに写真展を開くことにした。
カレンダーは、42センチ四方の月めくりタイプ。燕七十二候委員会の燕市で写真を撮るメンバー17人が撮りためた写真を選考し、5人が撮影した写真を選定した。モチーフは「非日常(ハレ)」の表紙にしたおいらん道中や燕・戸隠神社の春祭りの万灯や稚児舞、ふだんの生活の「日常(ケ)」の風景や蚊取り線香、燕背脂ラーメンを提供するラーメン店の店先などがある。

ことしも500部を作成し、工場見学などを受け入れている企業や燕市へ送客している旅行会社、観光関連会社などに配布するほか、1部2,000円で18日以降に燕市産業史料館のミュージアムショップや道の駅 SORAIRO 国上」、セレクトショップ「ファクトリーフロント」(燕市東太田)などで販売する。
写真展は燕市産業史料館の多目的ホールで開き、カレンダーに使った表紙を含め13点の写真をA3サイズほどの写真パネルにして展示。カレンダーに使わなかった写真約200点も2Lサイズにプリントして多目的ホールに続く通路の壁面に展示している。
2021年に長野県佐久市で制作された写真集「佐久市七十二候」に刺激を受けた。その燕市版をと燕七十二候プロジェクトがスタートし、最終的には写真集を作成して燕市の二十歳のつどいで二十歳に贈呈することを目指している。

委員会の代表で三条市出身、燕市に住むカメラマン帰山芳文さん(39)は「昨年は観光協会でも年末年始のあいさつに持参して喜ばれたと聞いています。燕市出身者へのプレゼントにもなっていました」と手応えを感じる。
「市外からの反響も大きく、燕市の着飾っていない日常的な瞬間、特別な日の燕を感じてもらえれば」と写真の力に期待している。
写真展にあわせて1月11日(日)午後2時から撮影者らによるトークショー、12日(月)午後2時から写真集に掲載する写真の公開選考を行う。