新潟県三条市は、年末にかけて高まる不要品処分の需要に対応し、リユースによる廃棄物削減を進めるため、リユースプラットフォーム「おいくら」を運営する株式会社マーケットエンタープライズ(東京都中央区・小林泰士代表取締役社長)と協定を締結して18日、連携を開始した。不要品を「捨てる」のではなく「売って再利用する」仕組みを導入することで、市民の利便性向上と循環型社会の形成を目指す。

三条市はこれまで、清掃センターに搬入された不要品のうち、再利用可能なものを環境啓発施設「かんきょう庵」で販売するなど、リユースの取り組みを進めてきた。一方で、ごみ処理費用の増加や、まだ使える家具や家電が廃棄されている現状が課題となっており、市民が手軽にリユースを選択できる新たな仕組みが求められていた。
今回、連携する「おいくら」は、不要品の一括査定をオンラインで行えるリユースプラットフォーム。利用者が査定を申し込むと、全国の加盟リユースショップに一括で情報が送られ、買取価格や日時、方法などを比較して売却先を選ぶことができる。出張買取にも対応し、大型家具や重量のある品物でも、自宅内からの運び出しできる。
三条市では現在、粗大ごみは有料での戸別収集や清掃センターへの直接搬入が必要で、市民自身が屋外まで運び出す負担がある。「おいくら」を活用すれば、冷蔵庫や洗濯機など家電リサイクル法対象製品でも、状態によっては買取の可能性があり、最短で当日の引き取りにも対応できる。市民の利用にあたって市の費用負担はない。
市ホームページには18日、「粗大ごみの出し方」のページに「おいくら」の利用の案内を掲載し、「おいくら」のサイトへのリンクを張った。市は「年末の大掃除などで不要品が増える時期に、廃棄以外の選択肢を知ってもらいたい」としている。
この官民連携により、市は廃棄物処理量や処理コストの削減効果を見込むとともに、市民のリユース意識の向上に期待。この取り組みで売却という手軽なリユース手段が市民に認知されれば、「廃棄ではなく、リユースする」という選択肢が増え、多様化する不要品処分ニーズに応えることができる、
加えて、市民のリユースに対する意識の変化、循環型社会形成の促進につながり、循環型社会の形成に向けた社会的側面・経済的側面の双方の課題解決を目指す。