【三条市議選】石田文夫氏が異色の事務所開き 地域再生を訴えピアノ演奏と私設図書館紹介も (2026.4.5)

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19日投開票の三条市議選に立候補する石田文夫氏(60)=仲之町=が5日、事務所開きを行った。一般的な選挙の事務所開きのように、威勢よく気勢を上げて結束を確認するだけではなく、自身の立候補の動機や地域課題への考えをていねいに語り、自ら管理する書庫の説明やピアノ演奏まで披露する茶話会のような雰囲気の異色の集まりになった。

石段氏が事務所開き
石段氏が事務所開き

子どもの見守り13年が原点に

事務所開きは、石田氏が自宅に併設する私設図書館「大和川春日文庫」で天井まで届く書架をぎっしりと埋めた図書に囲まれたなか、地元の支援者ら20人余りが参加。司会も来賓のあいさつもなく、石田氏ひとりがトークショーのようなスタイルで話した。

石田氏は、およそ13年にわたり林町の信号付近でボランティアで子どもの見守り活動を続けてきたことから話した。ここまで長く続けるつもりはなかったが、今の子どもたちに「生活のリズムがだいぶ変わり、少し危うさを感じることがある」。

信号が赤なのに、ぼんやりとそのまま道路に出ようとする子どもがいる。そのたびに「ちょっと待て」と声をかけてきた。そうした場面を何度も経験し、「なかなかやめられない」という思いが強くなり、結果として今も見守りを続ける。

その子どもたちは22世紀を見ることになる。自分たちおとな世代が未来に対して負う責任の重さを強く意識するようになった。

22世紀を生きる世代への責任感

自らが子どもだった1970年代から80年代。「21世紀はもっと良い世の中になるのではないかという楽観的な思いがあった」。しかし、現実には世界で戦争や対立が絶えず、不安定な情勢が続き、「なかなか良い世の中にはなっていない」と憂う。

医療の進歩などで人生120年時代が到来する可能性もあると言う。今の子どもたちが長い人生を安心して生きられる社会をつくる責任が、現在を生きる世代にはある。

「年長者として非常に重い責任を感じる。それが立候補の根源にある」。周囲からは突然の出馬のように見えるかもしれないが、背景には以前から抱いていた危機感と責任感があった。

支援者ら20人余りが参加
支援者ら20人余りが参加

孤立を防ぎコミュニティーを立て直す

とくに重視したのは、地域の孤立をどう防ぐか。地域コミュニティーが弱まり、自治会の運営も以前より難しくなっている。「ふだんの声がけが大事だが、それすら自然にできにくい時代になっている」と指摘する。

地域で暮らすには、制度や大きな施策だけでなく、日常のささいな助け合いが重要という認識。「コミュニティーの再生は草の根から一歩一歩やっていくしかない」と訴えた。

一例として、近所の人が洗濯機の排水の不具合について相談に来た出来事を紹介。ちょっとした困りごとを近くの人に気軽に相談できる関係性が、今は必ずしも当たり前ではなくなっている。

「本当に安心して楽しく暮らせる地域というのは、何か大きなことをやる前に、まずそこが大事なのではないか」と述べ、生活の足元にあるつながりの大切さを強調した。

海外からの不審電話のような身近な不安にもふれ、困ったときにすぐ声をかけられる空気づくりを地域に根付かせたいと話した。

空き家問題は地域共通の重い課題

三条に限らず全国の地方都市に共通するのが空き家問題。国による法改正の影響で、低価格帯の不動産が取り扱いやすくなり、不動産市場で一定の流動性が生まれつつある。

従来は200万円ていどの物件を扱っても不動産会社に入る手数料が少なく、広告費などを考えると採算が合わず、実務上は取り扱いが難しかった。

トークショーのように問題意識や持論、身上を語る石田氏
トークショーのように問題意識や持論、身上を語る石田氏

2024年の法改正で、条件によっては売り手と買い手の双方から上限33万円ずつの手数料を得られる仕組みが整い、数を集めればビジネスとして成り立つ余地が出てきた。

制度の変化を背景に空き家売買の動きが活発化しているが、すべてが解決するわけではないとも指摘。地域の空き家問題は依然として深刻で、今後も重要な政策課題であり続けるとの考えを示した。

文化・芸術・スポーツの力を地域に生かす

文化、芸術、スポーツの振興も大切な柱とする。三条では公民館活動や各種サークル活動などを通じた生涯学習が盛んで、プロ・アマ問わず高い技術を持つ人たちが多い。

とりわけ、雑貨や手芸などの分野で見られる地域のものづくりの力に注目。「三条の人たちの技術は本当にすごい」と力を込めた。

母方の祖先ゆかりで京都をたびたび訪れる。京都や大阪では手づくり市が盛ん。京都・左京区の知恩寺で毎月開かれる「百万遍さんの手づくり市」を例に、「三条の作家の作品を持っていけば絶対、売れると思う。それくらい技術が高い」と絶賛した。

頑張ろうコールに代えてショパンの「ポロネーズ」を演奏
頑張ろうコールに代えてショパンの「ポロネーズ」を演奏

三条には全国屈指のクラフトフェアもあるが、関西にはまた違った文化的な空気があり、地域の作り手にとって刺激になる。三条の文化的な土壌をもっと外に向けて発信していく可能性にも言及した。

AI時代に必要な学び直し

社会の変化が速くなるなかで、学び直しやセカンドキャリアへの支援も重要と訴えた。AIの進展や産業構造の変化により、一度身につけた知識や技術が比較的短い期間で通用しなくなる場面も今後は増えていく。「どうしたらよいか悩む場面が出てくるはずだ」。

一方で、どんな時代になっても基礎となる力はある。「いろいろ本を読んで身につく読解力は、時代が変わっても役に立つ」と強調。自身も5年ほど前、必要に迫られて行政書士試験を受けた経験があり、日ごろから本を読む習慣が問題を解くうえでも役立ったと振り返った。

知識の更新が求められる時代だからこそ、生涯学習を単なる趣味にとどめず、生きる力そのものとして支えていくことが必要だという考えだ。

先祖伝来の古文書と音楽資料を所蔵

石田氏が管理・保存する書庫も説明した。石田氏の祖先が越後に来たのは1614年で、大阪冬の陣の年に糸魚川へ移ってきた。豊臣家が滅亡する激動の時代を経て家系が続き、その過程で残された古文書などを現在まで保管している。

だるまの目入れ代わりに知り合いが作ってくれた刺しゅう文字入りの木目込みのテディベア
だるまの目入れ代わりに知り合いが作ってくれた刺しゅう文字入りの木目込みのテディベア

途中、大火で多くの貴重な資料が失われたが、いくつかの古い資料は残り、現在も管理保存している。もうひとつの柱として、19世紀前半ごろからの音楽関係の楽譜や書籍も収集・保存している。

これらの資料は、30年近くにわたり新潟市や東京の音楽関係者に提供してきた。今後はさらに広く公開、活用してもらうことも視野に入れていると言う。

ショパン演奏で「頑張ろう」に代える

事務所開きのなかでは、石田氏がピアノ演奏を披露する場面もあった。通常であれば、最後に「頑張ろう」三唱などで気勢を上げる場面だが、石田氏はショパンの「ポロネーズ」の一節を演奏し、それを事実上の「頑張ろう」に代えた。

ショパンが生きた時代のポーランドがロシアの圧迫に苦しんでいた歴史にも触れ、「異国から頑張ろうと思う気持ちにも通じる」と、自身なりの選曲理由を説明。哀愁を帯びた旋律が好みで、「選挙の事務所開きにはちょっと合わないかもしれないが」と笑いを誘った。

だるまの目入れの代わりに知り合いがテディベアテディベア木目込み人形を用意した。足の裏に「石田文夫」「必勝!」とあり、底には「三条市議会議員選挙」などと刺しゅうが施されている。左目だけ取り付けてあり、当選の暁には右目を差し込むと言う。

だるまの目入れ代わりの木目込みのテディベアとパンダの人形は石田氏の分身か
だるまの目入れ代わりの木目込みのテディベアとパンダの人形は石田氏の分身か

告示後は自転車で市内を回る考え

12日の告示後の選挙運動については、昨今の石油事情にもふれてガソリンを使わずに「自転車でひたすら回る」と宣言。たすきを掛けて下田地区を含む市内各地を自転車で回る考えだ。

4月からの自転車に関するルール変更され、自転車の歩道通行が認められていない場所が市内にも少なくない。それでも、できる限り地道に地域を回りたいと言い、「もし車で出かける折に私の姿を見かけたら、ぜひ声をかけていただければありがたい」と呼びかけた。

派手な演出や大規模な動員ではなく、自分の足と自分の言葉で地域を回る。石田氏の事務所開きは、その選挙スタイルをそのまま映したような場でもあった。孤立、空き家、文化、生涯学習といった身近で根の深いテーマを軸に、独自の感性で初陣に臨む。


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