ことしの「燕三条 工場の祭典」は10月1日〜4日 テーマは「人が、ひらく。」 数より質で製造業重視で原点回帰 実行委員長に燕物産・捧さんを大抜てき (2026.4.9)

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新潟県燕三条地域のものづくりの現場を開く恒例イベント「燕三条 工場の祭典2026」の開催に関する記者会見が9日開かれ、ことしの年次テーマや参加工場の募集概要が発表された。本祭は10月1日(木)から4日(日)までの4日間。ことしは昨年、掲げたビジョン「MakerScape(メーカースケープ)」を土台に、年次テーマを「人が、ひらく。」とし、来場者数や参加数の拡大一辺倒ではなく、かかわる人の満足度や賛同の広がりを重視する方針を打ち出した。

工作機械の音が響く燕物産の工場で記者会見
工作機械の音が響く燕物産の工場で記者会見

ことしの実行委員長は、燕物産(株)(燕市小池)の専務取締役、捧開維さん(35)。記者会見の会場も燕物産の工場内で工作機械の音が響くなかで行われた。

捧さんは「ものづくりの現場そのままを伝えるというビジョンを掲げている」と述べ、あえて工場内を会場に開いた意図を説明した。

昨年、実行委員会が掲げたビジョン「MakerScape」は、ものづくりをする人々「Maker」が創り出す唯一無二の風景「Scape」を組み合わせた造語。「不便でも、苦労してでも、見に来たいと思う価値があるコンテンツ」を掲げ、地域企業、行政、教育機関、来訪者、メディアが一体となって燕三条ブランドをさらに確固たるものにしていく10年先の構想を示している。

年次テーマは「人が、ひらく。」 工場も関係も次の一歩も

その初年度となる2026年のテーマが「人が、ひらく。」。「燕三条も、ものづくりも、工場の祭典も、すべて人でできている」との思いを込めた。

「技術や製品が注目されがちな産地、燕三条ではあるが、すべては人が作り出している。主語を『人』に置くことで、かかわる人たちの力で成り立っていることを示した」と説明した。

ことしの実行委員長の燕物産の捧さん
ことしの実行委員長の燕物産の捧さん

「ひらく」には工場を開くという意味だけでなく、関係をひらく、次の一歩をひらくという複数の意味を込めた、「工場」や「ものづくり」の前に賛同者が主役とし、10年先を見据えた基盤づくりの年と位置づけている。

来場者数や売上よりも“関係人口” 満足度重視へかじ

昨年は歴代最高の実績を記録した一方で、事業規模の拡大に運営体制が追いつかず、属人的な運営や参加企業の「祭典疲れ」も課題として浮上した。

捧さんは「来場者数や売上数だけではなく、関係人口や賛同者の数、関わってくれたすべての人たちの満足度が評価される1年にしたい」と述べた。

1年後に目指す姿としては、「出逢った人の表情が、熱量が、伝播する」状態を掲げた。「あの職人にまた会いたい」「また来てほしい」「この産地を見続けたい」と思ってもらえるような、人と人がつながる体験を重視する。

本祭は10月1日から4日 参加工場は5月30日まで募集

本祭の日程は例年通り10月第1週の木曜から日曜の4日間。参加工場の募集は4月1日に始まり、締め切りは5月30日午後5時。対象は燕市、三条市を中心に、弥彦村や田上町、下田地区など周辺地域まで含めて広く募る。

昨年度の参加工場数は133社だったが、ことしの目標は140社。このうち製造業を100社規模まで高めたい考えを示した。これまで飲食や物販など関連業種の参加も広がってきた一方、製造業の比率低下や離脱も課題になっていた。

捧さんは「工場の祭典というタイトルがついている以上、製造業の割合を増やすことで存在意義を再確認したい」と語った。

新規参加の不安を軽減 冊子化と5段階整理で門戸広

質の向上策として新たに、参加を検討する企業向けの冊子を用意した。従来の募集要項や申込書だけではなく、産地の紹介、工場を開く意義、参加レベルの考え方、過去参加企業の事例、年間スケジュール、よくある質問などをまとめ、新規参加の不安を和らげる内容とした。

工場公開の5つのレベル
工場公開の5つのレベル

特に注目されるのが、工場公開のレベルを5段階で整理した点だ。大規模なイベントや夜の特別企画だけが正解ではなく、ショールームや会議室の一部公開、パンフレットやサンプル展示だけでも参加の形になることを明示し、参加のハードルを下げるねらいがある。

佐々木さんは「自分たちのやれる範囲からできるということを説明したい」と話した。

また、5月12日に参加検討企業向け説明会を開く。これまでのような一方向の説明だけでなく、個別相談に近い形で不安や疑問に寄り添い、新たな参加企業の掘り起こしにつなげる。

通年事業も継続 「本祭4日間だけが本番ではない」

年間を通じた事業も継続・強化する。分科会ミッションとして、「ひらく」「みせる」「つなぐ」「まなぶ」「つたえる」「事務局」の6つの柱を提示。説明会や開会式、案内所統括、キービジュアルやホームページ、マップ制作、SNS、ボランティアやガイド育成、公式ツアー、満足度アンケート、県内外PR、経済波及効果調査などに取り組む。

7月ごろには参加企業説明会やマップなど制作物の準備が進み、10月の本祭後も11月の工場サミットや成果発表、次年度への引き継ぎ、PR事業などを想定。「本祭4日間だけが本番ではない。年間365日、地域を盛り上げる取り組みにしたい」考えだ。

質疑で見えた課題感 マンネリ化や“祭典疲れ”にも対応

来場者数の目標について昨年に続き6万人を目指す考えも示されたが、「まずは質を高めることに注力したい」と強調。満足度の評価方法については、経済波及効果も含めた効果測定を専門家と協議しており、大学教授とも相談を進めているという。

記者会見に出席した実行委員会メンバー
記者会見に出席した実行委員会メンバー

海外PRの手応えは、台湾での反応が大きい。ホームページのアクセスでも台湾からの比率が高まっており、現地イベントでも「燕三条に来たことがある」といった声が聞かれた。

さらに、参加工場が本祭期間中に他社を見に行けないという課題や、展示内容のマンネリ化に対しては、先輩企業の事例共有や別日の見学機会づくりなどで対応を検討。小中学生や高校生向けの見学・学習機会についても教育委員会や学校との連携を模索している。

実行委員長は参加歴浅くYEGでもなく大抜てき

捧さん自身も都内の銀行で法人営業を担当していたが、家業を継ぐために5年前に燕三条へ戻った。それまで燕物産は工場の祭典に参加していなかった。

「見せられる工場ではない」と参加に慎重だったが、捧さんの意向で3年前に初めて参加した。限定的に公開したところ予想以上に反響が大きく、来場者だけでなく協力工場との関係にも良い変化が生まれた。

実行委員会は燕と三条の商工会議所青年部が母体だが、捧さんは青年部にも所属しておらず、いわば大抜てき。「青年部にはも入っていないのに、僕しかないって言っていただけで、参加工場枠として実行委員長を務めてくれと。皆さんに担ぎ上げられて」と恐縮していた。

「BtoCだけでなくBtoBの関係も良好になった。産地が疲弊していく中で、工場の祭典はいろんな面でメリットがあり、盛り上がっていけるものだと思っている」と話し、実行委員長就任への思いを語った。


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