7.13水害から1年後に出版された水害体験記録集『私の7.13水害 その時、今、思ったこと。』に被災から10年で再び注目 (2014.7.13)

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7.13水害からことしで10年になったが、被災から1年後の2005年7月13日に出版された市民80人の被災体験をまとめた水害体験記録集『私の7.13水害 その時、今、思ったこと。』を今になって再び読み返す人もいる。

7.13水害から1年後に発行された市民80人の被災体験をまとめた水害体験記録集『私の7.13水害 その時、今、思ったこと。』
7.13水害から1年後に発行された市民80人の被災体験をまとめた水害体験記録集『私の7.13水害 その時、今、思ったこと。』

同書は、当時、三条市民の有志でつくった「私の7.13水害」編集委員会が、サブタイトル「市民一人ひとりの水害体験記録集 2004年夏 新潟豪雨水害」(定価1,200円)として制作した。

A5判、282ページで、五十嵐川の破堤で全域が浸水した三条市嵐南地区の住民を中心に、当時20歳代から80歳代の80人がそれぞれの体験を書いた80編を収録した。

80編の多くは、水害を体験した「その時」、水害から少し時間がたち、その体験を文章として書いている「今」、7.13水害を体験して「思ったこと。」の3つに分け、80人の7.13水害を記録している。

本の中には、「この水害で多くの物を失いました。でもそれは形のある物でした。代わりに形のないものを得ました。人の心です。・・」、父親について「数十年住み慣れた我が家が沈むなか、思い出の品を命がけで探していた時の気持ちというのはもう想像しがたいほど切なかっただろう」。

「今も川を見るたびにあの日のことが思い出される。一瞬のうちに九人もの尊い命を呑みこんでいった。さぞかし恐かった、苦しかっただろう。」、被災した人の一言が忘れられないと「復旧、復興と行政やボランティアは、言っているけど、亡くなった家族は戻ってこない」とその言葉も書かれていたり。

「泥を吸い出したりかきだしたり何回も何回も水で拭いた。」、「橋を渡ると日常と非日常にハッキリ分かれた様子や人の動きが、今も橋を渡る度に、不思議な感覚として思い出される。」。

この年に生まれた孫に伝えたいとして「いつの世も経験に基づく老人の意見は貴重だぞ。」、「脅威が迫ってからの避難はリスクが高いぞ」、「他人の様子を見て行動を決めるな。危険だと思ったら、自らの判断で避難せよ」。

水の押し寄せる様子や被災の状況、避難、復旧作業、過去の経験や祖父母などから伝えられたことで家財道具を2階にあげる対応をした様子をはじめ、行政への気持ち、親戚、友人、ボランティアなどへの感謝など、さまざまな状況や思いも記されている。

10年という年月がたち、しだいに細かな記憶は薄れていくなかで、7.13水害を体験した人にとっては、具体的な場所や状況が想像できることから、当時の状況をリアルに思い出させる。さらに、こんなことが起こっていたのか、こんな思いがあるのかと、あらためて振り返らせる。

当時は床上1m以上の水につかった三条市桜木町1、「エコロジーショップみずすまし」の店主で、編集委員のひとり神田初枝さん(63)によると、水害から10年たって同書への問い合わせは少なくなったが、「その時の体験をそのまま書いているので、ぜひ読んでほしい」と願う。同書は「みずすまし」(電話:0256-33-7793)で扱っている。


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