寺子屋つばさ実行委員会は3、4日の1泊2日で燕市国上・本覚院で、第9回食育学校「はらぺこ塾」を開き、燕三条の小学生38人が、1センチ強のバナナやあめ玉などわずかな食べ物で共同生活するという日常にない体験を通じて食事や命のありがたさなどを学んだ。
参加したのは、三条市、燕市、加茂市の4年生以上の小学生38人。うち6人ほどは2回以上の参加だ。ボランティアとして新潟経営大学の東川ゼミ生や「100キロ徒歩の旅」のボランティアスタッフの大学生など22人がリーダーになり、同実行委員会のメンバー18人とともに1泊2日の共同生活を体験。水はいつでも飲むことができるが、食べ物は決められた時間に、あめ玉やバナナなど全員が同じものを口にした。
初日は午前9時半に開会。ニワトリのと殺体験を含めた命を学ぶ食事づくりに関連し、養鶏業を営む人から話を聞いた。本覚院から国上山を登山オリエンテーリング、近現代史の授業などを行い、手まりの湯で入浴、本覚院に戻り午後6時ころに夕食としてあめ玉1個。渋谷隆阿住職指導の写仏、肝試し。保護者からの手紙を読んだあと、保護者へ感謝など返事を書いて就寝。
2日目は、午前5時半に起床。朝食はリンゴ1切れ。清掃や座禅を行って本覚院を後にし、約1.7キロ山道を歩いて下って国上勤労者体育センターへ移動。9時半から、ニワトリのと殺体験、そのニワトリも使用して鶏雑炊を調理。11時から体育館内で鬼ごっこ「逃走中」。正午から保護者とともに鶏雑炊を食べて、閉会式のスケジュール。
初日は、写仏は集中し、夜の肝試しでは大きな声で「怖い!」、「まじ、無理」と怖がりながらも元気だったが、2日目の朝は口数が少なく、空腹から生気がなくなる子もいた。と殺体験は、担当の学生から「(人間は)命をいただいて生かされている」との説明を受け、子どもたちは見学。なかには涙を流す子どももいたが、真剣に取り組んだ。
今までに味わったことのない空腹感もあり、弱気になるときもあったが、学生ボランティアや一緒に参加した仲間からの励ましで乗り切り、最後の「いただきます」、「ごちそうさま」まで参加者全員で行った。
同実行委員会は、「地域の子どもは地域で育てる」ことを主眼におき、燕三条地域を担う子どもたちの育成を通じて地域発展に寄与することを目的として活動し7年。子どもたちの豊かな感性や想像力を引き出し、生涯を通じて残るような体験だったり、本物との出会い、思いやりの心を養い、地域を再発見できるような場を提供しており、「はらぺこ塾」のほか、冬の「ゆきんこカップ 逃走中」も開催している。