瞬間の線を積み重ねた中村暢子書展「刹那ー時を創るー」 (2022.2.19)

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新潟県三条市の書家、日展会友の中村暢子(のぶこ)さん(53)の書展「刹那(せつな)ー時を創るー」が2月19日から3月21日まで弥彦の丘美術館で開かれている。長さ12mの大作をはじめ瞬間の線を積み重ねた作品13点が空間を支配している。

弥彦の丘美術館で開かれている書展「刹那(せつな)ー時を創るー」と書家の中村暢子さん
弥彦の丘美術館で開かれている書展「刹那(せつな)ー時を創るー」と書家の中村暢子さん

大作は縦1.6×横12メートルの紙に仮名で書いた「ゆく河の流れは絶えずして」で始まる『方丈記』。美術館で5回、書いたうちの1点をほぼ壁一面すべてを使って展示する。壁画のように巨大な作品は圧巻だ。

大作を制作中の中村さんの動画

広くわかってもらえるものをと、古典日本三大随筆のひとつを選んだ。一気に右から左へ、時間とともに書き進められた文字は、時間と感情の記録。「時間の流れを表す文章が書きたかった」と中村さん。平面の書に時間の概念を持ち込み、タイトルを象徴する作品でもある。

右の壁面を飾るのが長さ12メートルの大作「方丈記」
右の壁面を飾るのが長さ12メートルの大作「方丈記」

ほかの作品は、歌人の柳原白蓮と中城ふみ子、俳人の鈴木しづ子、和泉式部日記など、ほとんどが女性の文学で、仮名や漢字仮名交じりで書いた。

中村さんは「女性が力をもたなかったころに自分の思いに忠実に、ストレートに生き抜いたのがすばらしい」と文学に表現を求めた女性にあこがれる。「歌に強さがあると書く力になる」と突き動かされ、創作の意欲を駆り立ててくれる。

柳原白蓮の「君へ…」
柳原白蓮の「君へ…」

中村さんは新潟大学教育学部特別教科書道教員養成課程を卒業。書道香瓔会の原奈緒美氏に師事。2007年に日展に初入選し、16年の改組新日展となってからも毎年入選し、会友に。県芸展会員賞、県展奨励賞などを受賞。個展や書家の父、中村城翠さんとともにグループ展を開いたこともある。書道香瓔会理事で「書創ー綺羅ー」を主宰する。

今回の個展は2年前に依頼を受けた。大作については「ここで引いた線でどれだけのものが書けるか、力試しでもあった。自分に足りないものがたくさんあるのを知り、まだまだ勉強しなければと思った」と確認。「線をつくるのは一瞬。それを積み重ねて作品にある。時間をのせた作品をつくりたい」と語る。

中城ふみ子の「独り」
中城ふみ子の「独り」

18日は内覧会があり、市長になってから中村さんに指導を仰いでいる滝沢亮三条市長も会場を訪れて一足早く師匠の作品を鑑賞した。3月12日(土)と21日(月・祝)に中村さんが来館予定。

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