開学4年目の三条市立大学が93人の新入生を迎えて全4学年がそろう

(2024.4.4)

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三条市立大学(アハメド・シャハリアル学長)は4日、令和6年度入学式を行い、93人の新入生を迎えた。開学から4年目、これで全4学年がそろい、学生は333人となった。

三条市立大学の入学式で記念撮影
三条市立大学の入学式で記念撮影

シャハリアル学長「価値ある自分づくりを」

シャハリアル学長は式辞で「この大学で多くのことを経験し、知識とスキルを確かに身につけ、価値ある『自分づくり』をしていただきたい」と新入生に求めた。

ものづくりのイノベーションには、工学技術に関する知識などのハードスキルと、それらを生かすマネージメントなどのソフトスキルが必要で、そのための3つのアドバイスを伝えた。

アハメド・シャハリアル学長
アハメド・シャハリアル学長

それは、基礎的な知識を可能な限り広く複合的に取得すること、日々の学生生活に「トキメキ」を感じられるようなことを取り入れること、「不易流行(ふえきりゅうこう)」の考え方を重要視して学びを整理すること。

「皆さんが大空に飛び立つまで、本学の教職員一同、貴重な4年間に寄り添い、情熱を持って全力で支えていきます。最後に、皆さんが三条市立大学の第4期生としての誇りを持ち、希望を持って学業に励むことを祈念する」と激励した。

入学式
入学式

新入生宣誓「三条市立大学の歴史を紡ぐ者としてふさわしい実りある学生生活を送る」

新入生代表で県立燕中等教育学校卒業の霜鳥結菜さん(18)=燕市=が宣誓。「ただ机に向かって勉強するのみでなく、実際に見て、聞いて、体験することによって人と対話する力や即戦力となる技術、自ら考え、行動する力を身につけたい。三条市立大学の産学連携実習を通して実際に企業とかかわり、多くの知識や技術を学べることに期待する」。

さらに「3年前から始まった三条市立大学の歴史を紡ぐ者としてふさわしいと思われるよう実りある学生生活を送ることをここに誓う」と述べた。

入学生代表の宣誓を行う霜鳥さん
入学生代表の宣誓を行う霜鳥さん

滝沢市長「この地域での学びを最大限、サポートしたい」

滝沢亮三条市長が祝辞を述べた。滝沢市長は、1年生から4年生全員がそろう大学となり、これまでの3年間で三条市立大学が産学連携実習、学園祭などのイベント、まちづくりへの協力などを通じて三条市に大きな自信を与えてくれ、地域になくてはならない大きな存在になったと感謝した。

「私たちおとなの役割は、皆さんが頑張ることができるような環境を整え、応援し続けること」で、「これからも皆さんのサポーターとして、この地域での学びを最大限、サポートしたい」とし、「皆さんに三条市の、この地域のファンになってもらえるようなまちづくりを頑張っていくので、皆さんは勉強に、学外活動に、若さを生かして思う存分、活躍してもらいたい」とエールを送った。

滝沢市長
滝沢市長

4年目で教職員を増員、研究室がスタートし初めての卒業式も

三条市立大学は、工学部・経営工学科の単科大学で、学年定員80人。今年度はの志願者は459人で競争倍率は5.7倍。志願者は1年目の812人から2年目は401人、そして3年目の昨年度は736人で、昨年度を大きく下回ったとはいえ、少子化から定員割れの大学も増えるなか、依然として多くの志願者を集めている。

全学年がそろった今年度は、研究室がスタートする。来年には初めての卒業式も。教職員も今年度は教授と講師を1人ずつ増やした。職員は新年度で6人増やし、昨年度から比べると十数人の増員になった。

新入生のシャハリアル学長とのツーショットが人気でなぜか撮影役は滝沢市長
新入生のシャハリアル学長とのツーショットが人気でなぜか撮影役は滝沢市長

シャハリアル学長は「県内の学生がちょっと増えたのがうれしかった。第1段階を終わったのかなと思う。次の段階で学生の就職、卒業、研究というフェーズに入っていく。前から計画してあるので、それを実行する」と語った。

「留学生の受け入れとか、まだできてない部分があって、それをするための職員、研究体制を整えるための職員、共同研究をするための職員などを増やしていくので、まだまだ気を引き締めてちゃんと大学を軌道に乗せたい」。全学年がそろったのは「節目ではあるが完成したというわけではない。完成に向かって頑張っていく」と力を込めた。シャハリアル学長の式辞の全文は次の通り。

アハメド・シャハリアル学長の式辞 全文

新入生の皆さん、

この度は、ご入学おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。

全国各地から、93名の皆様を本学の第4期生としてお迎えできることをとても嬉しく思います。

この日まで、深い愛情をもって皆さんを献身的に育ててくださったご家族の皆様、ここまでお導きくださった学校の先生方に心から感謝いたします。

今日から、ここ三条市立大学が、皆さんの出発地点になります。それぞれが持つ人生の目標にたどり着くための「自分づくり」をする場所となります。夢と希望を胸にお集まりいただいた皆さんには、この大学で多くのことを経験し、知識とスキルを確かに身につけ、価値ある「自分づくり」をしていただきたいと思います。

本学が立地するこの燕三条地域は、様々な優れた技術や技能を有する日本屈指の「ものづくり企業」の集積地です。開学4年目となる現在、本学は、実に多種多様な150社以上の企業と産学連携による教育のパートナーシップを結んでいます。地域全体をキャンパスとして、この地でしか成し得ない「実学志向の学修」を展開しています。理論的な知識の取得に加え、人と企業の経験を学びに変えていくものづくりの実践は、「イノベーティブ テクノロジスト」を育成するための革新的な学びであると言えるでしょう。本学の唯一無二の取り組みは、未来の社会が求めるイノベーションを創出する高度なものづくり人材の育成を可能にします。そして、新しいイノベーションの創出こそが地域のサスティナビリティに貢献すると強く信じています。

ものづくりの分野でイノベーションを創出するには、クリエティビティやイマジネーションだけでなく、工学技術に関する知識などのハードスキルと、それらを生かすマネージメントなどのソフトスキルが備わっている必要があります。そこで、節目のこの日に私から、皆さんに3つのアドバイスをしたいと思います。

一つ目は、基礎的な知識を可能な限り広く、そして複合的に、取得してください。今日(こんにち)私たちが目にするイノベーティブな発見や発明のほとんどが、複数の技術分野の垣根を越えた、知識と知識の融合から生み出されています。これを踏まえ、本学のカリキュラムは、学際的に学ぶ工学の科目と実学を強く意識したマネージメント科目とをバランスよく取得できるようにデザインされています。さらに、今年から始まる4年次の卒業研究においてもこういった複合領域での研究が実施されることになっており、その成果はイノベーションの種になっていくことでしょう。

 二つ目は、日々の学生生活に「トキメキ」を感じられるようなことを取り入れることです。

これまでの経験から、創造的な思考を生み出す学問には、「トキメキ」が必要だと感じています。「トキメキ」とは、何か新しいことに出会ったり、興味深いことに関わったりしたときに感じる興奮、好奇心や喜びの感情のことです。この興奮や好奇心の感情は、新しい知識やスキルを取得するための動機となります。皆さん一人ひとりの才能や情熱を活かす機会が増えることで、やりがいを感じて、日々成長し、新しいアイデアや課題の解決策がひらめく、創造的な思考が刺激されるのです。「トキメキ」から得られる 幸福感、創造性は、イノベーションを生み出す核心的な要素として社会の発展に直接的に寄与すると私は思います。

三つ目は、「不易流行(ふえきりゅうこう)」の考え方を重要視して学びを整理することです。

松尾芭蕉の俳諧の心得をまとめた「去来抄」に、「不易を知らざれば基(もとい)立ちがたく、流行を知らざれば風(ふう)新(あらた)ならず」と記されています。

不易とは、普遍的なもの、また、変化してはならない価値観のことで、変化すると基礎が大きく揺らいでしまいます。一方、流行とは変化するもののことで、恐れることなく取り入れていかないと価値を失ってしまいます。

移り変わりの激しい時代、流行ばかりに視線を向けてしまいがちですが、究極のエンジニアリングとは基礎や本質を変えることなく、新しいものを次々と取り入れていくことだと思います。皆さんの4年間の学びでも、普遍的な価値を持つ知識やスキルと、流行を取り入れてこそ価値を見出される知識やスキルとの、両方の学修があります。それらの違いを理解したうえで、修得し、競争力のあるOnly Oneの人材になっていただきたいと思います。

皆さんが大空に飛び立つまで、本学の教職員一同、貴重な4年間に寄り添い、情熱を持って全力で支えていきます。

最後に、皆さんが三条市立大学の第4期生としての誇りを持ち、希望を持って学業に励むことを祈念して、式辞といたします。

令和6年4月4日

三条市立大学 学長 アハメド シャハリアル

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