新潟県三条市・県立三条東高校(小堺さとみ校長)の同窓会「慕光会」(岡田竜一会長)は6日、令和6年度総会を開いた。年々、出席者が減り続け、昨年の総会はわずか15人にとどまったことで奮起。「東高校我ら」を掲げて100人総会を目指して同窓生に出席を呼びかけたところ、ザ・ガーデンテラスおゝ乃(三条市)の会場いっぱいの131人が出席する盛会となった。
冒頭、三条市議の岡田会長は「本総会開催に向け、特別なプロジェクトチームが自発的に発足された。メンバーの皆さんの尽力、きめ細やかな事前準備が今、きょうの開会直前まであった。メンバーの皆さんの働きがなければ、このようにかつてない規模の総会の開催はできなかった」と、ことしの総会に向けた取り組みを振り返った。
「皆さんは、この地で、それぞれの立場で社会的責任を背負い、身を粉にして働いている、まさに現役世代の皆さんだ。そのような皆さんが母校三条東高校のためにここまでやるんだという驚嘆の思いを私は否めない。母校三条東高校に対する愛、母校愛以外の何物でもない。本当に頭の下がる思いで、あらためて感謝と敬意を表する」と謝意を表した。
三条東高は1910年(明治43)に南蒲原郡三条町立女子工芸学校として三条尋常高等小学校に設立されてから、ことしで114年。1974年(昭和49)に男女共学になった。
総会のなかでも創立90周年のときには総会に80人も出席したという話もあったが、今回はそれをはるかに上回り、過去最多になったと思われる。15人しか出席しなかった昨年の総会で、日本舞踊を教える花柳雅鶴さん(80)が、燕三条青年会議所歴代理事長でもある早川滝徳さん(50)と嘉瀬一洋さん(55)をたきつけた。
「市会議員の岡田君が会長やっててさ、15人だよ。わんわん言ってさ」と花柳さん。その気迫に押された。嘉瀬さんは、「あまりにも人数少なくてふがいないから早川を前に出して、こいつが若いので頑張りますと宣言しました。言っちまえと」。
いきなり背中を押された早川さんは、「15人しかいなくてびっくりしたと雅鶴先生に言われたんです。あんたたちがしっかりしなさいよ、みたいな感じで。酔っ払ってて、いいですよ、やりますよ、嘉瀬さんと一緒にと。そしたら実行委員長になっちゃって」と、苦笑いする。
早川さんをプロジェクトリーダーに、今回の総会に向けて2、3カ月前から人集めに取りかかった。慕光会の情報を共有できる公式ラインをつくった。ちらしはデザイナー、当日のまでの段取りは元市職員と、それぞれ同窓生が得意分野を生かして準備を進めた。
花柳さんは「男性の同窓会長が誕生したときに、ものすごい衝撃だったんだよ。男性に会長を渡すのは間違えてないけど、いい結果を出さないと、何だったんだとなる。それがジリ貧になっていったんですよ。気が気じゃなかった」。結果、予想を超える盛会になり、胸をなで下ろした。
懇親会になると、懐かしい顔との再会の喜びにあちこちで大きな声が上がった。しかし来年もこれだけの参加があるとは限らない。嘉瀬さんは「ここからでしょうね。来年以降につながるどうか」とすでに慕光会の先を見据えている。
早川さんは「とりあえず人集めようって言ったら、いやちょっとびっくりして。これだけ集まるとは」と驚く。「東高らしいのが、締め切り間近にざざっと登録してくれて。その辺が東高校らしいなって」と校風を思い出して笑う。
「この慕光会は監事年がないので結構、幅広い年代が今回、集まったので、そっからまたさらに波及していったらいいかなっていう思いはありますよね」と早川さんは来年以降を前向きにとらえていた。