三条市内3件の特殊詐欺被害未然防止で金融機関や個人に感謝状 (2025.4.30)

新潟県警三条署（中川健市署長）と三条市防犯協会（会長・滝沢亮三条市長）は28日、三条市内の3件の特殊詐欺被害を未然防止の功績で、2つの金融機関と利用者に対応した職員、さらに個人に対して三条署長と市長の連名の感謝状を贈った。

左から滝沢三条市長、三条郵便局の金子さん、横野窓口営業部長、三条信用金庫条南支店の佐野支店係長、遠藤さん、中川三条署長

表彰を受けたのは、三条郵便局と局員の金子克成さん、三条信用金庫条南支店と行員の遠藤由香利さん、個人の小柳愛さん。28日は三条市役所で感謝状の贈呈式を行い、小柳さんが以外が出席して滝沢市長から感謝状を受けた。

三条郵便局が送金ボタンを押す直前に待った

三条郵便局における還付金詐欺被害の未然防止は、昨年11月6日に金子さんが来店客から「携帯電話で通話しながらATMを操作している女性がいる」との連絡を受けた。

ATMコーナーにいるその女性のもとに行き、送金ボタンの手前まで操作を進めていた女性にすぐに手続きを中断するよう言い、犯人からかかってきた折り返しの話に機転を利かして対応するなど詐欺被害を未然に防止した。

三条郵便局の金子さん

三条信用金庫条南支店が送金先の口座が個人名で詐欺を疑う

三条信用金庫条南支店の架空料金請求詐欺被害の未然防止は、昨年12月26日に遠藤さんが窓口に訪れた男性から「ATMの振り込みの上限を超えて送金手続きができない」との相談を受けた。振込依頼書を確認し、送金先の口座が個人名であったことから詐欺を疑い、上司の佐野さんに報告した。

佐野さんらがていねいに男性から送金目的などを確認した結果、インターネットの未納料金を振り込むためとの話が出たこどから、佐野さんらは詐欺を疑い、男性に送金手税きを中断させて被害を未然に防止した。

佐野さんは断片的な通話の言葉に不審に感じて電話を変わる

佐藤さんの利用客による避付金詐欺被害の未然防止はことし3月19日、第四北越銀行三条北支店に訪れたときに電話をしながらATMを操作している男性を発見した。

通話する男性から「振り込み」、「選付金」、「金額欄」、「申請番号」などの詐欺が疑われるような言葉が断片的に聞こえてきたことから、「内容がおかしいので電話代わりますよ」と言って男性の話を代わったところ、すぐに電話が切れ、詐欺被害を未然に防止した。

三条信用金庫条南支店の遠藤さん

金子さんは「本当ギリギリのところで、もう電話をしながらお客さんはATMを操作していて、私が言っても全然、声を聞いてくれなかった。無理矢理やめてもらうような感じで、やめていただいて未然に防ぐことができた。金額で言えば50万円ぐらい、かなりの高額なので、今後も注意して、モニターとかを見ながら防止できればいい」と肝に銘じた。

遠藤さんは「高齢者に詐欺に注意するよう言われるが、今回は30代の人で、やっぱり若くても引っかかってしまう。全然、自分でも請求が来るとまったく考えていないし、払う必要はないのに払っちゃうんだと驚いた。年齢を問わず注意しないといけないと思った」と

ナンバーディスプレーを導入した滝沢市長の実家にも海外から着信

滝沢市長は「実はうちの実家にもナンバーディスプレーを入れたが最近、海外から着信があった。どこでも誰でもねらっているので、皆さまと協力して被害防止を呼びかけていきたい。怪しいと思ったら相手しないのが大事。悪いことじゃないので行動する前になんでも警察や役所、金融機関に相談してほいい」と協力を求めた。

中川署長は「声をかけるのは、ものすごく勇気がいると思うが、そこを一歩、踏み込んで対応していただいて未然防止が図られた。今後、声をかけてトラブルなどがあったら、そこに発展しないまでも110番していただいて構わないので、大ごとになると思うかもしれないが実際、そうやって防いでる事案は数多くあり、遠慮なく110番してほしい」と述べた。