燕市産業史料館(新潟県燕市)に移築されていた土蔵(旧工芸館)を古民家再生の第一人者、カール・ベンクスさん(82)=十日町市=のデザインでミュージアムショップにリニューアルされて1日、新たにオープンした。
燕市三王渕村の庄屋の米蔵として1900年(明治33)建築された土蔵を1986年(昭和61)に史料館に移築。工芸館として活用されてきたが、2019年(令和1)の史料館の大規模リニューアルで工芸館としての役割を終え、倉庫として使ってきたが、歴史ある建造物でもあり、以前から設置を検討していたミュージアムショップにリニューアルした。
広さは1階16坪、2階4坪で延べ床は20坪。受付窓口で販売していた各種図録やはがき、市内の職人 が製作した鎚起銅器製品、体験工房館で販売している 錫(すず)製品などの土産品や新たに企画展に関連した商品の取り扱いも行っている。
初日1日はさっそくカール・ベンクスさんが訪れ、最初のお客さんに。いずれも錫(スズ)でできた、花瓶の花に入れて植物を長持ちさせる「活花錫」1,200円と冷蔵庫で冷やして氷代わりに使える「錫氷」800円を購入した。
カール・ベンクスさんは、工事の内容について、とくに大工、電気工事、漆喰(しっくい)職人などの仕事ぶりを高く評価。ショーケースやカウンターにはケヤキ材を多く使う一方、断熱効果を高めるなど機能性を高めた。
燕三条地域でカール・ベンクスさんが古民家のリノベーションを手がけたのは初めて。「燕市の手作りのすごくいいものが並び、魅力的なショップになった」と販売品も含めて満足していた。
また、初日は燕市観光PRキャラクター「きららん」が登場してPRに一役買った。さっそく来場した人も「いい木を使ってて品がいい」とミュージアムショップの完成度に感心していた。問い合わせは燕市産業史料館(0256-63-7666)。