2021年に開学した新潟県三条市の市立大学(アハメド・シャハリアル学長)の校歌を新潟県三条市の全盲のシンガー、佐藤ひらりさん(23)が作詞作曲するプロジェクトがスタートした。
三条市立大学には校歌がない。三条市立大学の学生を奨学金で支援している一般財団法人高波龍風記念財団(三条市)の高波久雄代表理事は今春、行われた初めての卒業式に出席して校歌がないことに気づき、三条市立大学に校歌の制作を提案した。
シャハリアル学長も賛同。高波龍風記念財団が校歌制作の費用を支援し、東京パラリンピックで国歌を独唱した佐藤ひらりさん作詞作曲を委託することになった。
16日に三条市立大学で「未来を奏でる校歌プロジェクト」として発表会と三条市立大学、高波龍風記念財団、佐藤ひらりさんをマネジメントする母が代表のオフィスMAZEKOZE合同会社(佐藤絵美代表)の3者で委託契約を締結した。
ことし11月に校歌をお披露目の予定。歌詞は大学の軽音楽や作詞作曲のサークルの5人の学生と進める形で始め、歌詞に含めるキーワードを学生からも提案してもらう考えだ。
佐藤ひらりさんにとって校歌の作詞作曲は初めて。「この話をいただいた時はすごくうれしく、すごく大きな役割をいただいたと思った」と佐藤ひらりさん。「三条の未来を、そして三条から日本の未来をつくっていく。大学の校歌をわたしがつくらせていただくことで、少しは三条に恩返しできるかなと多う」と喜んでいる。
「大学の皆さんの思いも入れて、皆さんの曲を、私が思いをひとつにするというイメージ」で制作する。「皆さんからいただく言葉を見ながら詞を考えようと思っている。県外の人も多い大学で、どこか三条ならではの素朴さを感じられる、身近な曲をつくりたい」と話している。