17日、18日の2日間行われている新潟県燕市宮町の戸隠神社(星野和彦宮司)の春季例大祭「燕春祭り」で宵宮の17日、木場小路万灯組と横町万灯保存会がそれぞれ出陣式を行って祭りを華やかに彩る万灯を繰り出した。
万灯は、縦横約3mの大きな台車のてっぺんから色とりどりの紙で飾った数十本のタケをしだれのように垂らしたもの。1812年ころに木場小路で始まり、その後に横町でも始まったとされる。
浴衣の若連中が綱を引いて町内を回り、万灯の上では太鼓や笛が威勢のいい祭りばやしを奏で、「ひょっとこ」と呼ばれる男の子が扇子を広げて踊る。
さらに木場小路万灯組は「お玉」、横町万灯保存会は「踊り子」と呼ぶ12人で編成する小学生の踊り手が「伊勢音頭」に合わせて踊る。それぞれ二手に分かれて門付けに回るほか、街頭で全員そろって踊るパフォーマンスを行う。
木場小路万灯組(清水守之総代)は午後2時から20人余りが参列して星野宮司による清祓 (きよはらい)式と出陣式を行った。前夜来の雨は収まったものの、弱い雨が降ったりやんだりのあいにくの天気。万灯にビニールをかぶせたまま神事を行った。
星野宮司は「今、世の中は非常に先行きの見えない沈滞した経済環境、社会環境だが、お参りをいただくすべての方々に元気と勇気を与えていただきたい。皆さまがこの祭り行事の先駆けのチーム。どうかきょう、そしてあす一日中、この氏子町内を大いに元気よく動き回って、暴れ回っていただきたい」と激励した。