名物のところてんで知られる明治初期に創業した新潟県加茂市にある善作茶屋。経営する家族の都合で昨年8月7日から休んでいたが、8カ月ぶりにことし4月19日、営業を再開した。店をたたんでしまうのかと心配していた人も多く、加茂の名物の復活を喜んでいる。
ところてんは400円、大盛りで450円。かつて自家製だったが、今は加茂市内で製造されたところてんを仕入れている。
店の裏にわき出る清水を100年以上も使い込んだ石造りの水船に張る。水道より冷たい天然の冷水。その中にところてんを入れて冷やしおく。
注文を受けたらところてん突きにこんにゃくを入れて押し出す。均一に並ぶ細く透き通ったところてんは涼味満点。夏に向かって暑くなるほど恋しくなる。
酢じょうゆとからしをからめて一本ばしですするようにして食べる。一本ばしの理由は諸説ある。昔のところてんはやわらかくて切れやすかったため、一本の箸ですすって食べる方法が生まれた。
道路をはさんで善作茶屋の向かいに加茂川が流れる。昭和を感じさせるレトロな店内で車もなかった遠い昔、旅の途中に善作茶屋に立ち寄って一休みするようすに思いをはせながら味わいたい。
加茂市内では観光スポットのひとつ。書き入れ時は盛夏だが、情報を聞きつけて来店する人や営業再開を聞きつけて訪れる人も。すでに週末は切れ目なく来店があるほどの人気だ。
ところてんのほかにラムネ(150円)や駄菓子も販売している。水曜と木曜が定休日で、今は午前9時から午後4時半ごろまで営業している。以前から冬期間は休業しており、ことしの営業も11月3日まで。