保育士不足が全国的な課題となるなか、新潟県燕市は新任保育士の不安や悩みに寄り添う「伴走型支援」をスタートさせた。その支援の現場が4日、燕市白山町の燕こども園で公開された。
この日、専任の主任保育教諭が訪問し、1歳児クラスで新任保育士の保育活動に同行した。主任教諭は、子どもたちの遊びや保護者とのかかわり方について具体的にアドバイスし、日々の業務をていねいにサポート。降園後には、1日の保育活動を振り返り、書類作成のこつや子どもの成長を促す保育内容についても話し合った。
主任保育教諭は、かつてJICA海外青年協力隊の一員としてスリランカの幼稚園で幼児教育の普及・推進に携わった経験をもつ。その専門的な知見を生かし、新任保育士4人が勤務する公立保育園を年間延べ50回ほど訪問し支援を行う計画だ。
燕市では、これまでも奨学金返還補助やICT化の推進など、保育士確保に向けた環境整備を進めてきた。今年度からは、こうした伴走型支援を新たに導入。園長や校長経験者らで構成する4人の人材育成支援チームも組織し、公立園全体の保育の質の向上を目指している。
市こども未来課は「新任保育士が安心して現場に立ち、長く活躍できるよう今後も支援を充実させたい」としている。