新潟県の燕市と三条市をまたぐ上越新幹線・燕三条駅と北陸自動車道・三条燕インターチェンジ。「燕三条」ブランドを確固たるものにするため、三条燕ICを燕三条ICに名称変更しようと燕三条青年会議所(齋藤和也理事長)は賛同を求める署名活動に取り組む。
3日、記者会見を行って事業概要を説明した。6月中旬から8月末にかけて三条市と燕市のスーパーや商業施設で署名活動を行うほか、オンラインでも署名を集める。
オンラインでは「燕三条インターチェンジ名称変更賛同署名」のフォームをつくり、すでに署名できる。名前や住所を入力して署名し、簡単なアンケートにも答えてもらう。
集めた署名は9月以降に両市に提出する。あわせて両市の合併についてのアンケートもオンラインフォームで募集する。
昨年11月、魚沼市が市政施行20周年記念の取り組みで関越自動車道の「小出インターチェンジ」を「魚沼インターチェンジ」に名称変更した。
燕三条地域は「燕三条 工場の祭典」はじめ、ものづくりのまち「燕三条」として全国に知られる。広告で「燕三条製」をうたわれたり、燕三条製をかたる偽物の商品が出回るなど、「燕三条」の名称には一定のブランド力がある。
今回の事業のために「燕三条民意醸成プロジェクト」を立ち上げて取り組むことにした。合併による経済効果の向上、利用者利便性の向上、燕三条ブランディングの強化に期待している。
燕三条青年会議所は、燕市と三条市の合併を趣旨に、両市の合併に先立って合併することで呼び水になることも期待して1997年に両市の青年会議所が合併して誕生した。しかし2001年に燕市議会が合併協議会設置議案を否決して不成立に終わった。
合併をあきらめたら燕三条青年会議所の存在意義が揺らぐ。その後も合併に向けた活動を続けている。明確に合併を意識した取り組みは2017年に行った車のご当地ナンバーで「燕三条ナンバー」の導入。実現しなかったが、今回はそれ以来8年ぶりの大々的な運動だ。
すでに両市の市長には署名活動の実施を説明している。いちばんの課題は、名称変更にかかる費用約3億円。両市が折半しても1億5千万円ずつの負担になり、現実的ではないと厳しい言葉をもらっている。
インターチェンジの名称変更による経済効果を魚沼ICは16億円以上、長野県の安曇野ICは約10億円と見込んだ。今回は経済効果を予測していないが、遠藤重樹プロジェクトリーダーは、費用対効果は「十分あると思う」と自信を示した。
遠藤プロジェクトリーダーは、署名の目標を両市の人口の2.5%、4,150筆と示したが、即座に齋藤理事長は両市を動かすためにもその10倍、4万筆の目標に変更した。
また、齋藤理事長は県外から客を招くときに三条燕ICの名称であるために、ここで間違いないかと問い合わせがあると話した。
「われわれがやらなければいけないのは、百年後の未来にこの燕三条がちゃんと残っていること。未来を見据えて子どもたちにしっかりとわたしたちおとなが背中を見せられることが非常に重要と思う」と述べ、そのためにひとりでも多くの署名に期待している。