落語家の故・立川談志(1936-2011)と親交を深めた多才で博識な文化人、和田義昭(わだ よしあき)さん=新潟県西蒲区岩室温泉=が4月11日、がんのため69歳で死去した。その和田さんを偲(しの)ぶ会が20日(金)から22日(日)までの3日間にわたり地元の巻信用組合旧岩室支店(西蒲区岩室温泉721)で開かれる。
内容はひとつではなく、追悼落語会、和田さんを語る会、茶話会、コレクション展、偲ぶ会懇親会が3日間にまとめて開かれる。
追悼落語会には和田さんと親交のあった落語家、立川談吉さんと桂慶枝さんがボランティアで出演する。21日は立川談吉さんと新潟お笑い集団「NAMARA」代表の江口歩さん、22日は桂慶枝さんとピン芸人の堀川ランプさんが出演する。いずれも午後5時から6時まで、入場料は2日間共通チケットで2,000円。
21日は追悼落語会に先立って午後2時から4時半まで自由参加の和田さんを語る会、落語会後の午後6時から8時まで参加費1,000円で茶話会が開かれる。
20日から22日までコレクション展を開催。和田さんが手掛けた「談志の田んぼ」、アートサイト岩室、交流のあった作家の作品やあちこちから集めたコレクションが展示される。入場無料。
22日は落語会後の午後6時半から8時半まで偲ぶ会懇親会が開かれる。これだけは会場は松屋で、参加費は1万円。参加したい人は事前に申し込む。
1955年5月21日、新潟県西蒲原郡岩室村に生まれた。生家は岩室温泉の割烹。岩室中学校、巻高校、早稲田大学法学部を卒業すると、草創期の東京の出版社、サブカル系の(株)宝島社に勤務した。
家業の和田屋食堂を継ぐため30代で帰郷し、カフェ&バーウインズも経営した。そのかたわら、まちづくりにも積極的に取り組んだ。
なかでも和田さんと談志さんの交流から始まった「談志の田んぼ」は有名だ。田植えや稲刈りを談志さんが自らの手で行い、地元住民との交流や落語、宴会芸も交えて楽しんだライフワーク的プロジェクト。今も談志の田んぼには、談志さんの書「俺はこの田圃を愛してる もんくあるかい」の看板が立っている。
ほかにも温泉宿の庭を活用した「ガーデンズパーティー」、ロックバンド「頭脳警察」や三条市出身のジャズミュージシャンTOKUを呼んだライヴ、東京のはなし家による寄席などを開催。また、「アートサイト岩室温泉」や「いわ夢ろーず」、岩室温泉のPRや観光キャラバン、デザインなど岩室のさまざまな活動にかかわった。
落語や芸能、アート、音楽、車などに造詣が深く、幅広い人脈もあり、美術品やレコードのコレクションも数多い。地方では出会うことが少ない業界人の雰囲気を漂わせる人だった。
和田さんを愛した人たちから当然のように偲ぶ会の企画がもちあがり、実行委員会を組織した。実行委員のひとりが和田さんのおいの新潟市議・小林弘樹さん(42)。2008年に新潟のローカルインタビュー誌『LIFE-mag.(ライフマグ)』を創刊した。
和田さんは歩けなくなっていたが、「ひろちゃん、おんぶできる?みたいな。え!、歩けないんですか!」と困惑させられたエピソードも和田さんらしい。
「義昭さんと付き合った人たちがコレクション見て思い出話にして落語聞いて、みんなで楽しい会にできればいいですよね」と小林さんは参加を呼びかけている。
問い合わせや偲ぶ会懇親会の参加申し込みは、小林弘樹さん(070-9159-8698)、五十嵐政人さん(080-1141-8088)をはじめ実行委員へ。