キャンピングカー製造などを手掛ける有限会社加藤モーター(加藤健資代表取締役、新潟県三条市)と公立大学法人三条市立大学(アハメド・シャハリアル理事長、同)は24日、イノベーションの創出に関する包括連携協定を締結した。加藤モーターがもつ独創的な製品開発力と、三条市立大学が強みとする実学重視の教育を融合させ、地域社会の発展に貢献する人材育成と新たな価値創造を目指す。
協定の柱は、技術開発に関する教育・研究活動、製品の付加価値向上に資する教育・研究活動、イノベーション創出を担う人材育成など。加藤モーターが培ってきた技術開発のノウハウと、三条市立大学の学生がもつ斬新な発想を掛け合わせ、共同での製品開発や知的財産の創出に取り組む。
締結式で、加藤モーターの加藤代表は、同社の70年の歴史のなかで、アーチェリー事業やキャンピングカー事業などさまざまに形を変えて対応し、AI関連の特許などを開発していることを話し、優秀な学生たちとともに三条市からイノベーションを創出していきたいと話した。
シャハリアル理事長は、加藤社長は人々が「わくわく」するものづくりをする発明家で、そのアイデアを学生たちが「概念実証プログラム」などを通じて技術開発につなげ、地域を活性化させる新しい価値が生まれることを期待していると述べた。
具体的には、まず7月1日付で加藤代表が大学の客員准教授に就任。7月11日に学生と企業が交流するイベント「TECH MEET UP(テックミートアップ)」を学内で開催し、加藤モーターのキャンピングカーや独創的な製品を展示する。
さらに、9月からは同学の2年生が加藤モーターで週4日の長期インターンシップを行い、実際の製品開発に携わる計画。今回の協定により、学生は企業の現場で実践的な学びを得る一方、企業は学生の斬新な視点を取り入れることができる。
両者の強みを掛け合わせることで、ものづくりのまち・三条から新たなイノベーションが生まれることが期待される。
こうした企業との協定は、これまでスノーピークとビジネスリーダーの育成、日本精機と技術開発と学生の育成を目的に結んでいる。