本格化する果物の収穫期を前に新潟県の三条市と加茂市の果樹栽培農家を会員とする「天果糖逸(てんかとういつ)出荷販売協議会」(石黒隆之会長)は24日、出荷者大会を開き、今年度も販売目標17億円突破を掲げて取り組むことを決めた。
会員や関係者約80人が出席。石黒会長は、昨年は西洋ナシ「ル レクチエ」が褐色斑点病の被害を乗り越え、生産者が一丸となって対策に取り組んだことを振り返った。
ことしは日本ナシでひょう被害があり、日本なし部会で調査を行っており、ほかにもモモ、西洋ナシ、ブドウでも生育調査を実施し、「市場関係者に密に伝達するので役に立てていただきたい」とし、座右の銘の「七転び八起き」の精神で、病害や自然災害に負けずに良質な果物を生産していく決意を表明した。
三条地域振興局農業振興部は、これまでの生育状況と病害虫発生状況を報告した。天候と生育について、4月のひょう害や開花期の低温が影響し、ナシにくぼみが残る被害が出ている。ル レクチエは低温により結実不良の傾向が見られるが、全体的には平年並みの生育状況となっている。
病害虫は、西洋ナシの褐色斑点病やナシのナシヒメシンクイ、モモのカメムシへの注意を求めた。とくにナシの花腐れ細菌病は薬剤防除が難しいため、こまめなせん定による物理的防除を推奨した。
このあと部会ごとに出荷販売計画、、全農にいがた果実花き課が販売情勢と販売方針、卸売市場が市場情勢と産地への要望などについて話した。
近年、協議会全体での販売目標を17億円突破としているが、昨年度は15億7000万円だった。前年度は記録的な猛暑や渇水に見舞われて約12億5000万円と記録的な低水準にとどまったが、大きく回復した。
今年度も17億円突破が目標。具体的には部会別でももが2億0060万円、日本なしが10億4500万円、西洋なしが3億1500万円、ぶどうが1億5568万円の計17億1628万円を目指す。