一般社団法人日本機械学会は31日、株式会社コロナ(大桃満社長・本 社:新潟県三条市)が日本で初めて開発・販売した加圧式石油ストーブ「SB型」など6件を「機械遺産」に認定したことを発表した。
機械遺産の認定は、2007 年に日本機械学会の創立110周年を記念して設けられた事業。歴史に残る 機械技術関連遺産を大切に保存し、機械技術に関わる歴史的遺産として次世代へ伝えることを目的にこれまでに126件を認定。新潟県内からの認定は、2019年認定の「新津油田金津鉱場ー採油と製油技術の証ー」(新潟市石油の里公園・新潟市)に次いで2件目。
コロナの加圧式石油ストーブは、創業者である内田鐵衛が、安全で安価な軽油を使ったコンロの開発に独学で取り組み、1952年(昭和27)には、予熱パイプによる燃料の気化技術を確立。その翌年には無煙・無臭の青い炎で燃焼する加圧式石油コンロを完成させた。
その後、加圧式石油コンロで培った燃料の気化技術を石油ストーブへ応用し、1955年(昭和30)ガスにコロナ瓦斯(ガス)式石油ストーブ「SB型」として発売した。
ハンドルひとつで操作できる操作性や高い安全性から徐々に人気を博し、同シリーズ発売5年後の1960年(昭和35)には、同社の石油ストーブ生産量は全国の約30%のシェアとなるなど、同社石油暖房機の礎となった。
その後も、燃料の気化技術は、現代の石油ファンヒーターなどの石油暖房機へ広く受け継がれ、生活の向上に大きく貢献している。機械遺産認定を受けた加圧式石油ストーブは、8月25日以降に同社の技術開発センター1階ロビーに展示する。今期認定の6件は次の通り。