新潟県教育委員会が2029年度に三条市内の県央工業高校と三条商業高校を統合して新たな専門高校「産業高校」に統合を示したことを受けて両校同窓会は29日、滝沢亮三条市長を訪問し、新たな高校が地域産業の発展に貢献する人材を育成できるよう、要望書を提出した。単なる統合に終わらず、最新技術や経営学を学べるカリキュラム、充実した施設設備を求め、市と連携した県への要望活動を要請した。
新潟県央工業高校同窓会から松縄嘉会長、三条商業高校同窓会から松永一義会長らが市役所を訪れ、滝沢市長にそれぞれ要望書を手渡した。
要望書では、両校がこれまで培ってきた地域産業界との密接な連携と、それぞれが果たしてきた職業教育の役割を強調。そのうえで少子化の進行や私立高校授業料無償化の影響による生徒減少の懸念にふれ、統合自体には反対しない姿勢を示した。
しかし、安易に2校を1校にまとめるだけの統合では不十分と指摘。地域産業界の発展に寄与する最新技術や経営に必要なマネジメントを学ぶ機会を提供し、将来的に地域産業界のリーダーとして活躍できる人材を育成するための抜本的なカリキュラムの見直しと施設設備の充実を求めた。
特色のある未来志向の高等学校として、県央地域だけでなく広範な地域の中学生が選択肢とするような光り輝く特色を持つべきとし、両校が築き上げてきた歴史と伝統を次代につなげるためにも、市が同窓会の考えに賛同し、県への要望活動にともに取り組むよう強く要望した。