新潟県燕市の屋内こども遊戯施設「うさぎもちハレラテつばめ」(燕市大曲)が6日、グランドオープンした。10月での辞職を表明している鈴木市長が進めてきた子育て支援策の集大成ともなる施設で、近隣の市町村からも注目を集めている。
6日はオープニングセレモニーを行った。セレモニーには最初の利用者の親子100人が見守り、愛称の「ハレラテつばめ」を考案した地元八王寺の霜鳥みゆきさんに鈴木市長から感謝状を手渡した。
鈴木市長は「プレオープンさせていただき、大変、好評いただいている。いよいよきょうからは市外の方もご来場いただける」と話し、「皆さん大きな声でカウントダウンして一緒にオープンを祝いましょう」と呼びかけた。
館内を放送などを録音した燕市PR大使の声優・田中秀幸さん、大型エア遊具にデザインした燕市のご当地かるた「つばめっ子かるた」の絵札を描いた絵本作家の黒井健さん、ネーミングライツパートナーの(株)うさぎもちの加藤仁社長、愛称審査員の燕市PR大使・本宮宏美さん、指定管理者代表の愛宕商事(株)の高橋克郎社長があいさつした。
カウントダウンに続いて子どもたちも一緒に紅白のひもを引いて3つのくす玉を開き、華やかに幕開きした。愛称を考案した霜鳥さんはすでに子どもが大きくなり、おいやめいと一緒に利用したいと話した。
利用者の燕市出身で新潟市西区に住む40代の一児の父は「親子で来て楽しく過ごせる場所。西区にもふわふわドームなどがあるが、暑すぎてもだめだし。ここは全天候なのがありがたい。親子で楽しく過ごせる場所」と感心した。
3人の子どももつ三条市の40代の女性は、「予約制が難しい感じだけど混雑しないのはいいし、年齢別にエリアが分かれているのもいい。三条市民としては無料にしてほしいけど」と、無料で利用できる燕市民がうらやましそうだった。
入場ゲートはQRコードをかざすと田中さんの声で「ようこそ」、「OK」、「最高」と答えてくれ、問題があると「ちょっと待って」。家族で訪れた田中さんもその機能を試してみてうれしそうだった。
黒井さんは求めに応じて色紙などにサインを書いた。うさぎもちのキャラクター「もちもちブラザーズ」をテーマにしたかるたも描き、関係者を喜ばせた。
鈴木市長は、来春の4期目の任期満了を待たずに来月10月での辞職を表明している。「うさぎもちハレラテつばめ」を当初、ことし3月のオープン予定だったが、工期が遅延したものの鈴木市長の任期中にオープンが間に合った。
鈴木市長は「切れ目のない支援」として子育て支援策に取り組んできた。妊娠から出産、そして子どもの成長に合わせて、不妊治療費の助成拡充、小中学校の給食費無償化、病児保育の整備など、多岐にわたる支援策を打ち出してきた。
そのなかで、「うさぎもちハレラテつばめ」は、とくに乳幼児期から学童期の子どもたちが、天候に左右されずに体を動かし、自由に遊べる場所を提供。これまでの支援策が結実した、まさに集大成で、子どもたちの笑顔と地域の活力を生み出し、未来に向けた燕市の子育てを後押しする。